伝統野菜

2020年3月20日 (金)

伝統野菜のもやし

「伝統野菜プロジェクト」の活動に携わっているよっしーがぜひご紹介したいもやしが、青森県の「大鰐温泉もやし」と山形県の「小野川もやし」です。

どちらも地元の在来種の豆を使い、温泉水で一般的なもやしよりずいぶん長く育てているのが特徴です。シャキッとした歯ごたえと良い香り、しっかりした味わいが楽しめます。

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写真左: 大鰐温泉もやし(青森)
写真右: 小野川もやし(山形)

2017年4月24日 (月)

伝統野菜のごぼう

香川県には、私たちがふだん見慣れているごぼうとはまったく違い、主に茎と葉を食べる伝統野菜のごぼうがあります。茎はシャキシャキした歯ごたえで、煮物や天ぷらに、葉は佃煮などに使います。

「香りごぼう」も下の写真は香川県産ですが、もとは奈良、「大和のこだわり野菜」のひとつです。春の一時期だけ出回り、名前の通り香りがよく、とてもやわらかくておいしいごぼうです。

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写真左:葉ごぼう(香川)
写真右:源平ごぼう(香川)

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写真:香りごぼう(香川)

貴重な菜花、集まりました!

ほろ苦い味わいがクセになる「菜花(なばな)」は、早春の味覚のひとつです。関東では、薄紙でくるりと包まれた千葉県産の菜花が最もポピュラーだと思いますが、アブラナ科の植物はどれも春を感じるとトウ立ちして花が咲きます。

先日、知り合いの福島農園さんが、貴重な伝統野菜の菜花を取っておいてくれたので、いただいてきました。

めずらしいものばかりなので、ぜひご覧ください。

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写真左:品川かぶの菜花。江戸東京野菜の品川かぶは、丸ではなく細長い形が特徴
写真右:三河島菜の菜花。三河島菜は、江戸時代の頃から三河島地域に伝わってきたもの

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写真左:下山白菜の菜花。下山白菜は世田谷周辺で栽培されていた大玉の白菜
写真右:後関晩生の菜花。後関晩生は伝統種の小松菜で、江戸東京野菜のひとつ

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写真左:城南小松菜の菜花。世田谷区や大田区あたりで、明治中期から栽培されていた伝統種の小松菜
写真右:多摩の小松菜の菜花。多摩に100年以上伝わっている伝統の小松菜

2017年2月21日 (火)

長崎の伝統野菜

果菜里屋は、全国各地に伝わる伝統野菜を応援しています。

現在主流のF1品種と比べると、作りにくかったり揃いが悪かったりすることが多い伝統品種ですが、古くからその地域に根づいてきたわけですから、大切にしたいものです。

今月出会った長崎県の伝統野菜を3種類、ご紹介します。

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写真左:紅だいこん(長崎)。皮が赤く、中は白。細長い形のため「紅だいこん」と呼ばれているが、かぶの仲間。長崎では節分に紅だいこんの酢の物を食べる風習がある
写真右:辻田白菜(長崎)。日本における最初の完全結球白菜で、白菜戦前戦後にかけて全国を風靡した品種

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写真:ゆうこう(長崎)。長崎では江戸時代から栽培されていたとされる柑橘だが、数年前に発見された。隠れキリシタンがこっそり育てていた、という話も伝わっている。酸味がマイルドなのが特徴

2017年1月20日 (金)

【伝統野菜プロジェクト】在来じゃがいもフェスタ-4

(5)赤皮・白肉・赤紫花

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写真左:中津川いも(埼玉県秩父市中津川)。日露戦争で捕虜になった地元出身の兵士がロシアより持ち帰ったという説がある
写真右:ごうしゅういも・赤(徳島県三好市東祖谷)。万延元年(1860)頃に三好郡加茂山村より種を買い薄赤色と白色を混ぜて栽培-東祖谷村史

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写真左:井川おらんど・赤皮(静岡県静岡市井川)。来歴などは不明
写真右:下栗二度いも・赤(長野県飯田市上村下栗)。牧野源吾氏が昭和23年頃に北海道から導入した(H18年下栗いも会議で本人の講演より)

(6)紫皮・白肉・青紫花

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写真:紫いも・大滝(埼玉県秩父市大滝)。昭和初期には栽培。かつては栃本地区にある多くの家で栽培されていた

【伝統野菜プロジェクト】在来じゃがいもフェスタ-3

(2)黄皮・黄肉・赤紫花

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写真:地いも(愛媛県久万高原町)。明治以前から栽培されていると考えられている。現在は美川地区を中心に二箆(にへい)・西谷小村地区で栽培

(3)黄皮・黄肉・白花

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写真左:清内路黄芋(長野県清内路村)。100年以上前から栽培されており、木曽の方から入ってきたと思われる
写真右:平谷いも(長野県平谷村)。戦前から栽培

(4)紫皮・黄肉・青紫花

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写真左:紫いも・売木(長野県売木村)。40年以上前に、農業改良普及員が北海道から導入したと思われる
写真右:井川おらんど・紫皮(静岡県静岡市井川)。望月氏が子供のころ、明治41年生まれの母が栽培していたという

【伝統野菜プロジェクト】在来じゃがいもフェスタ-2

「在来じゃがいもフェスタ」に登場したじゃがいもを系統別にご紹介します。

(1)白皮・白肉・赤紫花

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写真左:おいねのつるいも(東京都檜原村)。オイネさんが若いころ神奈川県の相模原から持ってきたという説がある
写真右:ふじのねがた(山梨県上野原市)。河口湖の方から戦前に種いもを入手。80年以上は栽培している

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写真左:富士種(山梨県北都留郡小菅村)。別名「富士」。富士講に参加する人(富士衆)に旅の携行食として提供したという説がある
写真右:下栗二度いも・白皮(長野県飯田市上村下栗)。南アルプスを越え山梨・静岡県からの持込説がある

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写真左:井川おらんど・白皮(静岡県静岡市井川)。昔から栽培されており、昔は焼き畑に植えた
写真右:ごうしゅういも・白(徳島県三好市東祖谷)。「源平いも」とも呼ばれる。万延元年(1860)頃に三好郡加茂山村より種を買い薄赤色と白色を混ぜて栽培-東祖谷村史

【伝統野菜プロジェクト】在来じゃがいもフェスタ-1

2016年10月29日(土)、【伝統野菜プロジェクト】の第1回目となる勉強会が開催されました。テーマは「在来じゃがいも」。

おなじみの「男爵いも」や「メークイン」などは、明治以降に導入されたじゃがいもですが、江戸時代にオランダからやってきたじゃがいもが、今も各地の山深い急斜面でわずかに作られ、物語とともに伝わっています。それらは、専門家によると「今まで残っていることが奇跡に近い」のだとか。

遺伝子解析の結果、6つのグループに分かれることがわかりました。今回の講座では、6系統の在来じゃがいもが、16種類も勢揃い。

また、長年じゃがいもの原原種栽培に携わってこられた専門家のお話、食べくらべ、伝統的な食べ方・新しい食べ方の試食など、盛りだくさんの内容でした。

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写真左:在来じゃがいもの展示
写真右:講師の元独立行政法人種苗管理センター嬬恋農場長 野口健氏

2016年12月 9日 (金)

今月のピックアップ伝統野菜「甚五右ヱ門芋」

「甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)」は、山形で14代続く農家に受け継がれてきた一子相伝の里芋です。

粘土質の土壌で育ち、粘りけが強くやわらかいのが特徴です。

ご興味があれば果菜里屋までお問い合わせください!

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写真:甚五右ヱ門芋(山形・最上)

2013年11月26日 (火)

最上伝承野菜「角川(つのかわ)かぶ」収穫体験

2013年11月3日(日)、山形県最上郡戸沢村にて行われた、最上伝承野菜「角川(つのかわ)かぶ」の収穫体験に参加してきました!

角川かぶは、山形県戸沢村角川地区で昔から栽培されてきたかぶです。

かぶというと丸い形をイメージすると思いますが、角川かぶは細長く、短いだいこんのような形が特徴です。色は赤か紫。上の部分ほど色が濃く、下は薄く色づきます。

といっても、角川かぶの形や色はさまざま。太めの子もいればスリムな子もいますし、色の濃さなどにも個性があります。揃っていないのは、F1(交配種)ではないため。在来種ならではのおもしろさです。

角川かぶを収穫するために訪れたのは、山の中にある焼畑。

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普通の畑ではなく、自然の中で栽培されていることに驚きました。焼くことで土壌を整えて栽培しているそうです。

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よっしーがスタッフとしてお手伝いをしている[野菜の学校]の11月のテーマは会津の伝統野菜で、食べくらべは「かぶ」「だったのですが、会津の舘岩(たていわ)かぶと食べくらべてみようと、角川かぶも取り寄せました。そのときお世話になった田中悦夫さん(写真左)、阿部昭男さん(写真中央)にも今回の収穫体験で会うことができました。

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赤い角川かぶは、酢に漬けるとよりいっそうキレイな色になるので、甘酢漬けで食べることが多いのですが、よっしーのおすすめは、角川かぶの直火焼き。焼くと甘くてとびきりジューシーになります。みなさんの機会があれば、ぜひお試しください!