「みつき」というお芋
わたくしが「みつき」に初めて出会ったのは2年前の秋、八百屋さんの勉強会<八百屋塾>でした。みたところあまり感動しにくい風貌ですが、蒸して皮をむくとオレンジ色といってもいいくらいの黄色い肌が現れます。ホクホクではなくネットリ。とても甘い。お芋特有のにおいもなく、素朴な和菓子のようです。
パッとしない風貌だからか、あまり店頭では見かけなかったのですが、この秋は新宿伊勢丹にあるのでちょっと気になっていました。そうしたら8時閉店直前のセール、「違う野菜×3袋500円」というコーナーで、みぃつけた!即買っちゃった。あと2袋は何を選んだか?憶えていません。「みつき」のふくろには、「スペースファーム種子島」と書いてあります。これも八百屋塾で会ったのと同じでした。
種子島は、さつまいもが入ってきたルートのひとつ。わたくしの先生の先生、芦澤正和先生のお話によると、さつまいもが日本に入ってきたのは16~18世紀初めにかけて、いくつかの経路で。もっとも古い記録は1597年(慶長2年)中国から宮古島に伝えられたとするもので、次が1605年(慶長10年)にやはり中国から、この種子島に伝来、となっているそうです。そこで、種子島にはさまざまなさつまいもがある。むらさきいもやべにいも、にんじんいも、ふつうのさつまいも、それから安納こがね。「みつき」は、古くから自家用に作られてきた安納いもから選抜したのだそうです。
「みつき」で、わたくしはまた、さつまいもケーキを作りました。いつもはバタと砂糖だけなのですが、今回は卵黄と生クリームを加えて。蒸したところを味見したらとても甘いので、砂糖の量はレシピの半分くらいに減らしましたが、それで十分。でも、ほんとにケーキっぽくなってしまった。いつもの素朴なほうがよかったかも。
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