1月の八百屋塾 春菊
このところの寒波のせいで、日本海側は大雪、太平洋側はカラカラに乾いて寒い。畑の作物たちも、思うように育ちません。そんななかで開かれた1月の八百屋塾。テーマは青い葉っぱ、小松菜、ほうれん草、春菊、菜の花などでした。
まずは春菊。
■さとゆたか(栃木産)
東京でいちばんよく見かけるのが、このタイプ。しっかりした茎があり、そこから葉が出ています。「株立型」とか、「摘みとり型」といわれるのは、何回もトウが立ち、その茎のところを次々と摘みとって収穫するからだそうです。摘まれても摘まれてもへこまないヤツなんですねぇ。「無尽草」とか「不断草」などと呼ばれるわけだ。
■中葉春菊 (東京産)
こちらは、根っこがついている「株張型」で、根ごと抜き取って収穫する。摘みとっても摘みとってもへこまない「株立型」と、収穫量を比べちゃイケマセン。その代わり、やわらかい。食感だけでなく、味も香りも品がいいの。
ちなみに、写真は大畑繁雄さんという東京の篤農家がつくっているトクベツな春菊なのだ。
もともと関東の春菊は上の「株立型」、関西の春菊は下「株張型」、だった。最近は株張の味を好む人が増えて、関東にも出現し始めたという。こちらに移行しているとすると、味もあるかもしれないけれど、特に香りがやさしいからじゃないかな。わたくしのまわりには、オトナになっても香りの強い野菜は苦手な人がけっこういるもの。
■おたふく(茨城産)
この春菊、一枚の葉っぱが大きい。「大葉春菊」といいます。
むかしむかし、春菊には、大葉、中葉、小葉がありました。ところが、葉が小さいものは香りが強く(中葉、大葉と、弱くなるの。小葉は香りがいちばん強かった。)、おまけに小葉は株張型だったので、あまりたくさんとれなかったのです。障害が出てお百姓さんを困らせることこともあったそう。かわいそうな小葉ちゃんは、いつか消えていってしまいました。
で、いまは中葉がメイン。中葉がハバをきかせているのは関東も関西も変わらないそうです。
大葉が多いのは九州で、彼の地のみなさまは「ふぐチリには欠かせない」とおっしゃるという。むこうでの名前は「オタフクキクナ」。写真のおたふくさんは茨城生まれですが、品種名は九州での呼び名からとったのですね。ちなみに「キクナ」は、関西でも春菊のこと。
この大葉春菊おたふくさんは、やわらかくて、アクが少ないから、生でいただいてもよい。
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