寒干大根
切り干しだいこんとの違いは形と干す季節だけかと思ったら、作り方も違います。切り干しは切っただいこんをそのまま天日で乾燥させたものですが、寒干しのほうは一度煮てから寒風にさらして凍らせる「凍(し)みもの」といわれる乾物のひとつ。「凍み」のチカラを利用した保存法だそうです。
では、凍みのチカラとは何か。『栃と餅』(岩波書店)の野本寛一先生によれば、凍らせることで「たとえば酵素の活動の停止」が起こり、「味と栄養を固定化させ」、「保存性を高める」。さらに「味の高揚」にもなる。なるほど。だから各地にさまざまな凍みだいこん、寒干しだいこんがあるのですね。
形でも一本まるごとというのもあれば、さまざまな厚みの輪切り、薄くイチョウや半月に切ったもの、短冊でも厚みや大きさにバラエティがありますし、干しただけものや、味をつけたものなどなど……。保存しておいしくいただくことを、みんないろいろ考えたんだなぁと思います。 さて、飛騨高山からやって来た「寒干大根」の生まれは、神岡町山之村。標高1000m、氷点下10度以下の日が続くという、寒く積雪の多い地区です。この寒さが凍らせるのね。
ためしに5個、水でもどしてみました。20分では少し堅いところが残っている。30分でOKになったので、だしとお酒、薄口しょうゆで10分ほど煮ました。 写真は、冷めた寒干大根の煮汁を少し絞ってイチョウに切り、サラダに入れてみたところ。
これなあに??不思議な味。おいしい、でもそれはドレッシングの味のせいかな。味がよくしみてるね。そして食感が…何といえばよいのだろう。独特です。切り干しだいこんの食感に似ていますが、もう少しやわらかかった。
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