らっきょう
草土出版『花図鑑・野菜』によると、らっきょうの「品種には“ラクダ”、“玉らっきょう”、“八房(やつぶさ)”、“九頭竜(くずりゅう)”などがあり、なかでも代表的なものは“ラクダ”で、大粒で長卵形をしており、各地で栽培されている」。
出展されていたらっきょうはみんな“ラクダ”のようです。大粒で長卵形をしていました。
らっきょうの主な産地は、1位から鹿児島県、鳥取県、宮崎県で(2002年)、展示にはベストスリーが出揃いました。
ちなみに4位は福井県、5位徳島県、6位高知県と南国が続きます。
芦澤正和先生の資料によれば、近年、島らっきょうの沖縄県などが新規参入している一方、1960年代に栽培の多かった栃木、静岡などは脱落。らっきょうから移行したのでしょう。エシャロットの産地として登場しています。
日本版エシャロットは、実はらっきょうです。フランスのほんもののエシャロットとはまったく別物。
混乱のもとは、静岡県浜松市周辺で栽培され、大阪に出荷されていた“葉つき若採りらっきょう”を、「エシャロット」とネーミングした人がいて、受けちゃったこと。エシャロットという芸名をもらったらっきょうは、1970年代には東京市場にも進出。産地も、静岡に続いて神奈川、千葉、埼玉、茨城と増えました。
らっきょうの産地は南国、エシャロットは東京近県という図式のようです。
野菜を漬物よりも生で食べる傾向は、らっきょうとエシャロットにも現れています。らっきょうは年々減産。一方エシャロットは、登場以降伸び続けていましたが、いまは目立った増減はない状況。
らっきょうの産地から「生食できますよ、サラダにどうぞ」、というセールストークが始まるのはトーゼンです。だってエシャロットなんだもん。
大田市場には、ナマのらっきょうの他に、酢漬けや塩漬けなどに加工されたらっきょう、酢漬けに使う酢、貯蔵用のビンなども展示されていました。
| 固定リンク
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
- ティラミスチョコレート(2020.07.21)
「野菜」カテゴリの記事
- おいしい彩り野菜のつくりかた-7色で選ぶ128種(2018.06.10)
- 栄養と料理6月号 特集1「野菜をもっと楽しむ!」(2018.05.10)
- 宴の野菜度 立川「DANRAN亭」(2017.01.21)
- 野菜の学校(11) シャンス(2014.11.15)
- 干しあけび(続)(2013.05.14)
「食」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
「野菜(根菜類)」カテゴリの記事
- 伊吹大根のぬか漬け(2020.06.25)
- 大江戸味ごよみ 10月19日(土)べったら市(2019.10.19)
- ~日本食文化のルーツをさぐる~ 在来ごぼうフェスタ(2019.10.07)
- 大江戸味ごよみ 10月1日(火)練馬大根と綱吉と脚気(2019.10.01)
- 福島秀史さんの畑 滝野川ごぼうのタネ採り(2019.08.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント