辛いナンバン
「辛いナンバン」の「ナンバン」はトウガラシのことです。
『日本の野菜』(青葉高著・八坂書房)によると
トウガラシのことを九州、中国、中部地方の一部ではコショウと呼び、東北、関東、北陸、山陰地方の一部ではナンバンと呼んでいる。唐辛子は関東中心の呼び名で、江戸時代に著された『成形図説』に九州では胡椒と呼び、東北の国々では南蛮と呼ぶと記してあり、当時の呼び名が現在もそのまま使われているわけである
文の最後にある「当時の呼び名が現在もそのまま…」という「現在」とはいつのことなのか。この本は2000年1月発行なのですが、文章が書かれたのはもっと前のことだろう。と思って探してみると、「あとがき」に「昭和58年4月」という日付。この日とあまり遠くはないと思っていい。ということは1983年です。
それから23年後のいま、わたくしのところに「辛いナンバン」と「ぼたんこしょう」がやってきた地、中野市は長野県にあります。長野県はトウガラシのことを「ナンバン」と呼ぶ「東北、関東、北陸、山陰地方」エリアに近く、「コショウ」と呼ぶ「九州、中国、中部地方の一部」に入っている。ということは、ここではナンバンもコショウもあり得るわけだ。きっと「辛いナンバン」も「ぼたんこしょう」も自然な名前なのでしょうね。
さて、「辛いナンバン」は、まず揚げ浸しにしました。
「辛い」というので、用心してタネをきれいに取り除いて、素揚げ。熱々のうちにめんつゆに浸けるだけです。
写真の左下が「辛いナンバン」。ぜんぜん辛くありませんでした。ちなみにいっしょに揚げたのは、ぼたんこしょう、レンコン、にんじん、ごぼう、それに新ショウガの薄切り。揚げ浸しにするとなんでもおいしくいただけるのですが、この新ショウガがなかなかよかった。
「辛いナンバン」で、もう一品つくりました。揚げ浸しが辛くなかったので、今度は少しタネを残して。へたのところを切り捨ててナイフを入れ、まわりの皮に沿うようにくるりとタネのついたところを切ります。下の方に少しタネが残っていたのですが、そのまま輪切りにして、ごま油で炒めで甘辛く味をつけた。要するにきんぴら風にしたわけ。
途中で味をみたら、すごくカライの。で、箸で取り出せるだけ、タネを取り除いたんですが、それでもカライ。タネを侮ってはイケナイと思いました。
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コメント
こんばんは
ボタンコショウ、ナンバンと知らない野菜ばかりです。ナンバンに似た形で「甘トウガラシ」と言うのは食べた事があります。ピーマンとシシトウを混ぜたような感じがしました。
シシトウもタネがものすごく辛い時がありますよね。
今日物産センターで東洋種のカボチャを見かけたので買ってきました。
旦那も私も初めて食べました。形がシンデレラの馬車のカボチャみたいですね。
投稿: グーグー | 2006年9月 2日 (土) 20時45分
■グーグーさん
こんにちは。
コメントありがとうございました。
シシトウの辛いのに当たる確率は
以前よりも低くなったような気がしますが
油断しているといけませんね。
見た目にはわからないから困ったもんです。
投稿: クサマヒサコ | 2006年9月 3日 (日) 18時49分
九州で唐辛子を胡椒と呼ぶ事ですが、元々長崎が発祥と聞いています。
江戸時代、鎖国の日本で貿易をゆるされたのがオランダ中国でしたから、中国の人を「阿茶さん(あちらさんの意味です)」と呼んで大切に扱ったそうで、唐辛子…では、音が「唐を枯らす」に通じるので胡椒と呼んだと聞いています。確か本当の胡椒は、黒胡椒です。
投稿: お茶碗アトム | 2014年1月17日 (金) 19時58分