びわ、もう!
びわはバラ科ビワ属、原産地中国の中・南部や日本の西南暖地と推定されているとか。中国では古くから栽培されていて、中国大陸⇒台湾⇒日本とやってきました。
オレンジ色のビロードのような皮は、頭からむくより、おしりからむくほうがむきやすい。やさしい姿も、品の良い甘さと香りも、げに雅な水菓子なり。
それにしてもタネが大きいね。タネなしびわすをつくろうというアイディアが生まれてトーゼンでしょう。
そのへんの話が、今井敬潤著『くだもの・やさいの文化史』(文理閣)、びわの項にありました。それによると---1960年代中頃から、ジベレリンという植物ホルモンによって、種なしぶどうをつくるのと同様の方法で、種なしびわをつくろうという試みが行なわれている。当初、種子はなくなったが、果実が親指くらいのものしかできず、その後も大きな進展は認められなかった。
ところが、数年前、大阪府立大学果樹楽研究室を中心としたグループが、ふつうの果実大の種なしびわを作りだすのに成功し、マスコミでもクローズアップされた---
クローズアップされても、わたしは気がつかなかったなぁ。タネなしのびわができたら、「びわを食べたあ」という感じがするでしょうね。
さて、「びわ」は夏の季語です。でも、早出しナンバーワンの鹿児島産だから、いまごろ合えるわけね。
歳時記を見ていたら、山口素堂作の句がのっていました。
枇杷黄なり空はあやめの花曇り 素堂
びわの黄色、あやめの紫色…。きれいな配色の句です。
素堂といえば、
目には青葉山ほとゝ ぎす初がつほ
という句のほうが、ご本人の名前よりも知られている江戸時代の俳人。芭蕉とは俳諧の連歌を巻いたりして、仲がよかった教養人なのだ。いまになって、食べもののことばかりで思い出されるのは心外かもしれないな。
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