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2007年9月19日 (水)

果物教室①ナシ(豊水)

Fruits 教室の中心に置かれたテーブルに、間苧谷徹先生のお話のテーマになる果物が展示されています。
9月は、手前から、ニホンナシ「豊水」と「二十世紀」。リンゴ「さんさ」と「サンつがる」。イチジク「枡井どーフィン」。そのほか、試食するブドウが8種類並んでいました。「種なしピオーネ」「種ありピオーネ」「巨峰」「甲斐路」「安芸クイーン」「ロザリオビアンコ」「瀬戸ジャイアンツ」「マスカットビオレ」。

ニホンナシ、8月は「幸水」、9月は「豊水」についてお話がありました。話題は豊水の親と名前。

  • 豊水は誰の子か(配付資料から)
    現果樹試験場が、‘リー14(菊水×八雲)'に‘八雲'を交雑して育成し、昭和47(1972)年に命名登録されたが、この交配組合せに疑問があることは前から指摘されていた。
    平成15(2003)年に、果皮色、自家不和合性遺伝子、DNA等の調査から、母親(種子親)は‘幸水'、父親(花粉親)は‘イ-33(石井早生×二十世紀)'である可能性が限りなく高いことが判明した。

Nasihosui1 幸水(コウスイ)と豊水(ホウスイ)↑って、耳で識別しにくい。もともと豊水を開発した人は、「秋水」と名づけたのだそうです。ところが、「秋水」はお役人たちが反対し、豊かな水=豊水に変えた、といいます。意味はよいけれど、ホウスイはコウスイと間違うほど似ているっていうことは、そのとき問題にならなかったわけだ。不思議。
「私は、基本的に開発した人が付けた名前を変えない方がいいと思います」と間苧谷先生。「同じ名前があるとか、よほどマズイことがない限り、開発者の命名を尊重すべきです。これは、自分の子どもに名前を付けると同じことなんですよ。自分の子どもの名前を、よその人にとやかく言われることはないでしょう」
市場の人や八百屋さんが、豊水のことを「ユタカ」と呼んでいるのを聞いたことがあります。やはり、幸水と間違いやすいからだと言っていました。

Nasi20seiki1 もう一つは、二十世紀梨。↑
「先日、昨年に続いてJA鳥取中央が主催する二十世紀梨のイベントがあり、“熟っと梨(ウットリ)”というブランドのナシが紹介されたので持ってきました」と、東京青果の東海林さん。正式名称は“完熟二十世紀 美味熟っと梨”。昨年のイベント「美味しい二十世紀梨(完熟梨)を試食する会」でネーミングを募集していたのが、これに決まったのだろうか。

Nasihikaku1

Nasihikaku2_3↑左のお皿にのっているのは長野県産の「豊水」、右は鳥取県産「完熟二十世紀 美味熟っと梨」。
糖度が発表されました。豊水は15.2~14.6。二十世紀は11.6~11.0。糖度ばかりに焦点をあてるのは問題だけれど、目安のひとつにはなります。間苧谷先生は「いま、果物はほかの食べもの、たとえばアイスクリームと競合することを考えると、13度くらいは必要ではないでしょうか」とおっしゃいます。確かに、豊水とくらべて香りも味も淡い。二十世紀梨の未来は、地方品種なのでしょうか。

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