トピナンブール
「トピナンブール」はフランス語の名前、日本で「キクイモ」、英語では「エルサレム・アーティチョーク」。ところが、『西洋野菜料理百科』によると、トピナンブールは、アーティチョークでもないし、エルサレムとはなんの関係もありません。
アメリカ生まれの野菜。ヨーロッパ人(フランスの探検隊)が初めて出合ったのは1605年、マサチューセッツ州コッド岬でインディアンが栽培していたものだそうです。この探検隊の旅行記に「アーティチョークの味がする」根、という記述がある。そこで「アーティチョーク」というわけですが、なぜ「エルサレム」がつくかはよくわかりません。
これに比べると、「キクイモ」という名前の由来ははっきりしています。
以下は、『花図鑑・野菜』(草土出版)からの引用。
- キクイモ
キク科ヒマワリ属の多年生草本。
キクイモの名前の由来は、菊のような花をつけ、数本~数十本の根の先端が肥大した地茎となることからつけられた。
………17世紀初頭にヨーロッパに伝わった後、飼料用、食用、果糖、アルコール原料として世界各地に広まっていった。日本には江戸末期に渡来したといわれるが、消化吸収も悪く栄養価も低いことから、食用よりも飼料用とされてきた。戦時中の食糧難には栽培されていたようだが、現在はほとんど栽培されていない。一部で漬けものにされる。
いまは、トピナンブールに多く含まれる多糖類「イヌリン」の、血糖値をコントロールする機能が注目され、糖尿病を改善する健康食品として期待されているようです。
『西洋野菜料理百科』には、トピナンブールを使った料理がいくつか出ていました。スープ、煮込み、蒸しもの、サラダ、スフレなど。
私は、いつもの何でも入れちゃう朝ごはんのスープ。
バタで玉ねぎ薄切りとベーコンを炒め、じゃがいも、にんじんなど、家にあるスープによさそうな野菜を適当に切って炒め、水を加えて固形ブイヨンを1個。野菜が煮えたら、最後に塩こしょう。ここに、皮をむき、5㎜くらいの厚さに切ったトピナンブールも入れました。『西洋料理百科』に出ている「パレスチナスープ」に似ていなくもない。
この本には、トピナンブールは「クセが強い」とか「胃にもたれる」とありますが、まったくそんなことはなくて、独特の香りがあるなかなかおいしい野菜でした。栽培する土地が日本とヨーロッパで、違いが出るのかもしれない。
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