世界のくだもの366日事典
- バナナのたたき売り口上
バナちゃんの因縁を聞かそうか 生まれは台湾台中の 阿里山麓の片田舎 田舎の娘に見初められ ぽーっと色気のさすうちに 唐丸籠につめられて ガタゴトお汽車にゆすられて ついたところが基陸港 金波銀波の波を越え 海原遠き船の旅 艱難辛苦の暁に ようやく着いた門司港 門司は九州の大都会 門司の港で検査され 一等二等とある中で このバナちゃん一等よ 仲仕の声もいさましく エンヤコラドッコイ掛け声で 問屋のムロに入れられて 夏は氷で冷やされて 冬はタドンでむらされて 80何度の高熱で 黄色のお色気着いた頃 バナナ市場に持ち出され 1房なんぼのたたき売り サァサァ買うたサァ買うた……
著者の天野秀二さんは1915年生まれ。この本の初版は1995年ですから80歳のときにお書きになったということになります。著者のプロフィールには、「新宿高野社長室長をつとめるかたわらフルーツ評論家として活躍中」とあり、本を出された80歳のときは社長室長でいらした。
読みながら、昨年お亡くなりになった江澤正平先生のことを思い出しました。95歳でしたが、最後まで八百屋塾や果物教室に出ていらした。野菜とかフルーツの仕事をしている人っていつまでもお元気で活動なさるんだなぁ、と思った。
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