そら豆
ちょっと前まで、そら豆が出てくるシーズンは長くなくて、あっという間に店頭から消えていたような気がする。ところが最近は年末から見かけます。調べてみたら、そら豆は、東京の大田市場に、11月(ごくわずかですが)から8月まで入ってきます。ってことは、半年以上出回っているということ。それほど長い期間とは思いませんでした。
年末から3月までのあいだは、ほとんど鹿児島産です。4月も鹿児島産がトップで次が長崎産と、主に九州から届いていますが、5月になると千葉、愛媛、茨城と関東や東海のもの。6月には、宮城や秋田と東北産や新潟産が登場し、茨城産もまだ入ってきます。7月、全体の量は減りますが、青森産がメインで秋田や北海道のものも登場。8月は北海道産のみ。年末の九州から夏の北海道まで、南北に長いニッポンだから、こんなリレーができるわけです。
それにしても、そら豆のホントの旬は4月よりもう少し先だったんじゃないかしら。季語は夏ですし。
そら豆はまことに青き味したり 細見綾子
という俳句もありました。さわやかな初夏の風が吹いてくるような句です。
ちなみに、写真のそら豆は鹿児島産。
「空豆」、「蚕豆」。どちらも「ソラマメ」と読ませます。「空豆」は、さやが空に向かって実るから。「蚕豆」は、蚕のまゆのような形をしているからといいますが、確かにそら豆の形ってユニーク。友人に「そら豆」というニックネームの人がいます。顔を見ると、なるほどそら豆。下ぶくれで、ふっくらしています。そういえば、「お多福豆」って、そら豆を甘く煮たもののことでした。
そら豆はいたみやすいので、新鮮なうちに食べなくてはイケマセン。塩ゆでして、ビールのおつまみにするのが定番ですが、それではあまりにも簡単すぎるので、パスタを作りました。
これは、生ハムと生クリームを合わせる、原田慎次さんのレシピです。
パスタの上にのっているのは、炒めた生ハム(ホントはもっとカリカリに炒める)。さらに上からパルメザンチーズをたっぷりふりかけてあります。
まず、バターでたまねぎの薄切りと生ハムを炒めて、カリカリになったら生ハムだけ取り出し、その後に皮をむいたそら豆を加えて、生クリームを投入。そら豆の半分くらいをフォークの背でつぶして、全体に塩をふり、ゆでたパスタを加えればできあがり。からむソースの濃度は、パスタのゆで汁で調節します。そら豆の皮をむくのが、ちょっとナンギでした。でも皮をむくと、グンと洗練された味わいになります。
もう一つは、最近よく見かける、野菜をまるごと焼いたり蒸したりする調理法。オーブンでやってみたのですが、ちょっとムッとするような豆の匂いがしました。これはそら豆好きのための料理かもしれない。私は網焼きのほうが好きかな。
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