新たまねぎ
たまねぎは一年中出回っていますが、そのなかで新たまねぎは春だけのもの。ただ、同じ「新たまねぎ」という名前で2タイプあるから、コトはいささかややこしくなります。
一つは今出ている新たまねぎで、「早生(わせ)」。フツーのたまねぎとは品種が違います。これはすごくわかりやすい。もう一つは5月ごろから出てくる新たまねぎなのですが、フツーたまねぎと品種が違うのではなく、たまねぎの一生(?)に関係しているといいます。
たまねぎは、地中の球が大きく育ち、地上の葉が枯れて倒れると成熟したことになり、収穫されます。これがフツーのたまねぎ。その地上部分が枯れる前、まだ茎などが青いうちに早どりして出荷されるものが、これから出てくる「新たまねぎ」なのだそうです。つまり「未成年」たまねぎといってもいいかもしれませんね。
たまねぎの県別収穫量(2004年)をみると、1位が北海道、2位佐賀、3位兵庫、4位愛知、5位長崎…。北海道は61万トンで全体(113万トン)の半分以上で2位(13万トン)以下を大きく離していますが、1位は北、2位以下は南、とはっきり分かれています。
東京中央卸売市場の取り扱い量の順位も、生産量のそれとほぼ同じです。1位は北海道、2位佐賀、3位兵庫…。
月別に見ると、9月~翌年3月がダントツ北海道、5月~7月は南のさまざまなところ、その境にあたる4月と8月は南北入り乱れています。
たまねぎには、春にタネをまいて秋収穫するタイプと、秋にタネをまいて春収穫するタイプがあって、春まき⇒秋どりは北海道。秋まき⇒春どりは2位以下の南の方、というわけです。もちろん新たまねぎは、秋にまいて春に収穫するタイプ。すべて南のほうからやってきたたまねぎです。写真の新たまねぎは静岡産。
新たまねぎは水分が多くてやわらかく、辛みが少ないのですが、傷みやすいのがたまにキズ。保存は冷蔵庫で。でも、できるだけ早く食べること。
新たまねぎなら、なんたってこれが一番簡単でうまい! のは、スライスしておかかをのせて、しょうゆをかけるだけという食べ方でしょう。それをちょっとだけアレンジして、おかかの代わりに油揚げ、しょうゆではなくポン酢にしました。
新たまねぎは、新鮮なものなら水にさらさなくてもOK。とよく書かれていますが、私は匂いがちょっと気になります。で、さらしたり、ふきんに包んで流水のなかでもんだりします。油揚げは適当にカットし、フライパンで油を入れずに焼きます。ふっくらしてきてちょっと焦げ目がつくくらいに焼きましたが、カリカリに香ばしく焼いてもよいと思う。甘くみずみずしい新たまねぎに、焼いた油揚げの香りととコク、さわやかなポン酢がよくあいます。
| 固定リンク
« カタクリ | トップページ | 八百屋塾①トマト-1 »
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
- ティラミスチョコレート(2020.07.21)
「食」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
「野菜(根菜類)」カテゴリの記事
- 伊吹大根のぬか漬け(2020.06.25)
- 大江戸味ごよみ 10月19日(土)べったら市(2019.10.19)
- ~日本食文化のルーツをさぐる~ 在来ごぼうフェスタ(2019.10.07)
- 大江戸味ごよみ 10月1日(火)練馬大根と綱吉と脚気(2019.10.01)
- 福島秀史さんの畑 滝野川ごぼうのタネ採り(2019.08.20)
「クサマ&なかまの仕事」カテゴリの記事
- 江戸東京野菜の「のらぼう菜」(2020.04.13)
- 日本の野菜(2020.01.06)
- 大江戸味ごよみ 7月13(土)は本田(ほんでん)うり(2019.07.13)
- 大江戸味ごよみ 7月2日(火)まくわうり(2019.07.02)
- 大江戸味ごよみ 5月3日(金・祝) きゅうりと葵の御紋(2019.05.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント