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2008年5月29日 (木)

ビエトラ(ふだん草)

Bietora_white02  「ビエトラ」というと、ぜんぜん知らない野菜のように思いますが、これ、「ふだん草」なんです。ボルシチに使う赤い根、ビーツの仲間で、葉を食用にするもの。家庭菜園で作っている方もいるのではないかしら。なにしろ「ふだん(漢字では「不断」)草」の名前の由来は、葉を取っても取っても次々に若葉が出てきて一年中収穫できるから、というのですから。

最初に栽培が始まったのは小アジアや中近東地域で、紀元前1000年にはシチリア島でも栽培されていたらしい、という、アカザ科の古い野菜です。イタリアで「ビエトラ」、イギリスで「チャード」、沖縄で「ンスナバー」…と土地固有の名前があります。ということは、それだけそこに根づいているということでしょう。
日本には17世紀かそれ以前にやってきたようですが、その後、明治になって西洋種が入りました。地方名が多く、たとえば「不断菜」「いつもぢしゃ」「常菜(とこな、つねな)」「年中菜」「唐萵苣(とうぢしゃ)」「かき菜」「夏菜」「うまい菜」「あま菜」「ごまいらず」「かつぶし菜」などなど、各地で作られていたことがわかります。

写真のビエトラは、とても大型です。長さを測ったら55㎝もありました。作っているのは、「ファットリア葦毛(いもう)の里」という、障害をもった子どもたちの職業リハビリ実習農園。「ファットリア」はイタリア語で「農園」、「葦毛(いもう)の里」とは、農園の運営母体=社会福祉法人岩崎学園の愛称だそうです。この農園で作っているのは、高級レストランで使う質の高いイタリア野菜ばかり。

「ビエトラ」というとイタリアンを作らなくちゃ、ですね。たとえば、パスタに入れたり、ベーコンと炒めたり、スープに入れたり、キッシュに入れたり、ケーキみたいに焼いたり…。いろんなレシピがありますが、どの料理も、「まずゆでてから」が必須のようです。

Bietora_dish01_3 「ふだん草」なら、なんだか親しみやすい。作ったのは沖縄のレシピ、ンスナバーととツナ缶の炒めものです。↑
茎の部分は2センチ幅くらいのななめ切り、葉っぱは1センチ幅に切って、塩を入れたお湯でサッとゆでます。水にさらしてからギュッと絞ってつまんでみたら、ちょっと土臭いんですね。ほうれん草の根っこのような匂いがします。フーンと思いつつ、フライパンにサラダ油を熱して、ゆでたビエトラを炒め、缶詰のツナを油ごと投入。塩で味をととのえればできあがり。
味見をしたら、今度は土の匂いを感じません。ツナ缶の匂いに消されてしまったのかもしれない。こんなに簡単なのに案外いけます。

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