梅
梅は、英語で「ジャパニーズ・アプリコット」といいます。バラ科サクラ属といいますから、桜の親戚。原産地は中国湖北省および四川省とされています。大分と宮崎でも野生が見つかっているそうですが、全国各地で実をつけているのは中国から伝わった木がモト、と考えられています。では、いつやってきたか。弥生時代の遺跡からタネが発見されており、それ以前の遺跡にはないので弥生時代という説、奈良時代に遣唐使が持ち帰ったという説など、諸説あるよう。いずれにしても梅は日本の土地によくなじみ、広く普及したわけです。
いま、お花見というと桜に決まっていますが、平安時代以前のお花見は梅の花でした。
歌にも詠まれています。まず有名なのは「東風吹かばにほひ起こせよ梅の花主なしとて春を忘るな」。これは左遷された菅原道真作。百人一首でもおなじみの紀貫之の歌「人はいさ心も知らず古里は花ぞ昔の香ににほひける」の「花」も、「梅の花を折りて詠める」と前書きにありますから、梅。もちろん『万葉集』にも梅の歌は多い。たとえば、太宰府の長官大伴旅人の上で開かれた宴会で、参加者が梅をテーマに詠んだ32首をはじめ、100首以上集められているといいます。
俳句にも「梅が香にのっと日の出る山路かな」(芭蕉)や「梅一輪一輪ほどのあたたかさ」(嵐雪)など、名句が残されていて、梅は日本人にとって特別な花であることがわかります。
さて、今の時季は花ではなく、実のほう。
私は、ことしは梅酢みそを作ってみました。作り方はすごく簡単。梅と同量のみそ、60%のグラニュー糖をビンに入れておくだけ。梅から出た酢でみそと砂糖が溶け、酢みそ状態になったらできあがりです。
梅を冷凍して組織を壊しておくと早く梅酢が出ます。そこで、洗って水分をとったら、冷凍庫で24時間以上。凍った梅とみそ、グラニュー糖をビンに入れて、2週間。もう少し前に梅を取り出すべきだった。少しゆるくなりすぎたような気がしないでもない。
レタスにかけてみました。なかなかよいお味。ソースやディップとして、いろいろな野菜に使えそうです。
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コメント
お久しぶりです。
梅味噌ですね。
私は去年挑戦してとても好評だったので今年も作ってみました。
凍らせると早かったのですね~
6月8日に漬けましたのであと2週間位したら食べられるかなぁと楽しみにしています。
生野菜にかけるのが最高ですね。(あと冷奴も外せません)
投稿: グーグー | 2008年6月19日 (木) 18時38分
■グーグーさん
コメントありがとうございます。
冷や奴ですね、やってみます。
今回、梅酢みそは違う方法でも作ってみました。
近いうちにブログで紹介したいと思っています。
ぜひまた、ご覧くださいませ。
投稿: クサマヒサコ | 2008年6月20日 (金) 11時55分