福耳とうがらし
原産地は熱帯アメリカで、辛いとうがらしのほうがモト。ピーマンはとうがらしを品種改良したものです。
日本に伝わった時期については諸説ありますが、「七味とうがらし」が生まれたのは江戸時代ですから、それより前にあったことは確かです。いっぽう、ピーマンは明治時代初期にやってきました。消費が急速に伸び、食卓に定着したのは、第二次世界大戦後です。
このあたりのことは、農林統計をみるとわかります。以前は、「とうがらし」という項目にはピーマンを含めた数字が出ていました。それが、1964年(昭和39年)といいますから第二次世界大戦が終わって20年近く経つと、「ピーマン」のデータは、とうがらしから独立してのるようになったのです。それだけピーマン栽培がさかんになったということでしょう。いっぽう、「とうがらし」のほうは次第に少なくなり、ピーマンが統計上独立した6年後、1970年(昭和45年)以降は、とうがらしとしての栽培状況の数値は統計から消えてしまいました。
ところが、1986年ごろの激辛ブームに始まり、いまや辛味は日本の食生活にすっかり浸透して、味のバリエーションの一つになっています。では、そうした辛味のモトのとうがらしは?というと外国産です。国内消費の95%以上を輸入に頼っています。数量ベースで国別にみると、中国がダントツで8割以上。続くスペイン、韓国は5%前後。日本の野菜は自給率が高いといわれますが、とうがらしは例外、というわけです。
ちなみに、この「福耳」は栃木県矢板産。栃木県は、茨城県と並ぶ昔からのとうがらし産地です。
福耳とうがらしは、しょうゆ漬けにしておくととても便利です。
作り方は、熱湯消毒したビンに、輪切りにした福耳とうがらしを入れて、しょうゆをひたひたになるくらいに加えるだけ。1~2日たつと福耳から水分が出てきてかさが減り、しょうゆ液にすっかり隠れる。そうなったら、使えます。
たとえば冷や奴に、とうがらしにしょうゆ液を含ませるようにしてのせる。
それから、そうめんやそばのつゆが薄くなってきたときに、おつゆに入れる。ピリッとした香りと辛味のアクセントとともに塩味もプラスされて、ちょっと間が抜けてきたおつゆが新しい魅力で復活します。鍋ものの薬味にもいいんじゃないかと思いますが、寒くなるまでには、すっかりなくなっているな。
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コメント
福耳唐辛子。実は私もはまっています。栃木県矢板産の福耳とうがらし料理方法
唐辛子のたねとへたをとり一口大に切り熱湯に1分くぐらせ めんつゆ又は、たまりつけの素でつける。2~3時間後に食べられます。大変おいしいです。ですが、福耳とうがらし 中々手に入りにくいです。地元のスーパーには、売ってないようです。
投稿: りく | 2009年7月28日 (火) 12時36分
■りくさん
私もお店に行くたびに
万願寺とうがらしも伏見とうがらしも出てるし、
福耳もそろそろかしら…と、チェックしているのですが
まだみたいですね。
八百屋さんに聞いてみよう。
投稿: クサマヒサコ | 2009年7月29日 (水) 17時33分
初めて福耳唐辛子に出会い味わっています
今からの播種では遅すぎるでしょうか
投稿: 辛昌錫 | 2013年7月 3日 (水) 08時28分
■辛昌錫さま
寒いところでなければ、今、種まきしてもいいようですが、栽培のことはよくわかりません。お役に立たなくてごめんなさい。
投稿: クサマヒサコ | 2013年7月 3日 (水) 11時44分
はじめまして!
長野県の小さなスーパーでPOPをつくってるのですが、
調理法と画像をおかりしても大丈夫でしょうか?
よろしくお願いします。
投稿: 小林 | 2013年7月19日 (金) 13時37分
小林さま
調理法と画像、お使いくださってけっこうです。
ただし、どこかに「出典:クサマヒサコの野菜ノート」というクレジットを入れていただけますでしょうか。
よろしくお願いします。
投稿: クサマヒサコ | 2013年7月19日 (金) 14時08分
今年育ててみます(*^-^)
投稿: 空想 | 2015年3月28日 (土) 17時25分