しいたけのチーズ焼き
きのこの季節です。しいたけ、しめじ、えのき、なめこ、まいたけ、エリンギ…。お店にはいろんな種類のきのこが並んでいます。私はきのこといえばしいたけが一番ポピュラー、と思っていましたが、東京中央卸売市場の取り扱い実績データをみると、数量のベスト3は、上からえのき、しめじ、しいたけの順で、しいたけは3位。金額でカウントしたランキングでいくと、1位しいたけ、2位しめじ、3位えのきで、しいたけがトップでした。
しいたけの学名は、”Lentinus edodes(レンティナス・エドデス)” 。この”edodes (エドデス)”は「江戸」を表しています。江戸時代前期から栽培が始まったことと関係しているのかもしれません。当時は、シイ、ナラ、クヌギなどの原木になたで傷をつけ、そこにしいたけの胞子が自然に飛んできて着くのを気長に待つ、という方法でした。胞子はいつ飛んでくるのか、確実に着くのか、まったくわからない。収穫は風まかせ、天まかせです。ですから、山の木こりたちは、切った木で炭を焼くか、しいたけ栽培に使うか…、と悩んだといいます。当たれば大きいけれど、そうは問屋がおろさない。バクチのようなものだったのでしょう。
1942年、不可能とされていたしいたけの人工栽培が、農学博士の森喜作さんによって開発されました。コナラなどの木に、しいたけ菌を人工的に植えつけて育てる画期的な方法です。しいたけ菌の植えつけは、原木に刻み目を入れ、しいたけ菌をたくさん着けた木片を打ち込みます。こうして安定した収穫が得られるようになりました。この方法は「原木(げんぼく)栽培」と呼ばれ、少し前まで主流でした。
いま出回っているしいたけの多くは「菌床(きんしょう)栽培」で育てられています。おがくずなどを固めたものに、しいたけ菌を植えつけ、ハウスなどで栽培します。原木栽培よりスペースはとらないし、軽い。たいへん作りやすくなったわけです。
しいたけのパッケージには、「菌床」「原木」と書かれたシールなどが貼ってあります。原木はあまり見かけなくなりましたが、チェックしてみてください。
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