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2008年10月24日 (金)

れんこん

Renkon01 れんこんの東京中央卸売市場の月別取扱実績(2007年)をみると、12月がだんとつ1位。これはおせち需要でしょう。続いて新ものが出る10月、11月の順。貯蔵されたものもあり、周年出まわりますが、これからが最盛期です。

Renkon_danmen01 れんこんって、泥の中で育つのに根っこではなくて、穴があいていて、けっこう太っていて…、キミは一体何なんだと言いたくなりますが、スイレン科ハス属、地下茎の肥大した部分です。
いくつかの本をあわせてみると、れんこんの原産地は、本によって、「地質時代からユーラシア大陸全域とオーストラリアに分布」「インドといわれる」「インドか中国が原産と推定される」「エジプト原生説も有力」などなど諸説。いずれにしても日本でも古代の遺跡から蓮の種子が出土している、古くからの植物です。
下記は『日本の野菜』(青葉高著 八坂書房)から

1951年千葉県検見川の2000年前と思われる泥炭層から発芽力のあるハスの種子が出土し、これから育成したハスは発見者の大賀一郎氏にちなんで大賀バス、または古代バスと呼ばれ、これから増殖されたハスが現在各地で桃色の花を咲かせている。なおこのハスは花粉粒の状態などから見て、現在のハスとは違う特殊なハスであるといわれている。

ハスも昔は花を観賞するのがメインだったらしい。
周茂叙(しゅうもしゅく)という宗の時代の儒者は、

菊は花の陰逸なるもの也
牡丹は花の富貴なるもの也
蓮は花の君子なるもの也

と書いているので、蓮の花は「君子」と呼ばれる。そこで、洒落好きの江戸町民は、花が「君子」なら、その根すなわちれんこんは「君子の骨」だろうと。で、次の川柳。

泥中を掘って君子の骨を出し
  (『誹風柳多留』)

れんこんが食用として重視されるようになったのは、江戸時代。で、

蓮根はここらを折れと生まれつき
  (『川柳評万句合勝句刷』)

うまいねぇ、どぉも。

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