れんこん
れんこんって、泥の中で育つのに根っこではなくて、穴があいていて、けっこう太っていて…、キミは一体何なんだと言いたくなりますが、スイレン科ハス属、地下茎の肥大した部分です。
いくつかの本をあわせてみると、れんこんの原産地は、本によって、「地質時代からユーラシア大陸全域とオーストラリアに分布」「インドといわれる」「インドか中国が原産と推定される」「エジプト原生説も有力」などなど諸説。いずれにしても日本でも古代の遺跡から蓮の種子が出土している、古くからの植物です。
下記は『日本の野菜』(青葉高著 八坂書房)から
1951年千葉県検見川の2000年前と思われる泥炭層から発芽力のあるハスの種子が出土し、これから育成したハスは発見者の大賀一郎氏にちなんで大賀バス、または古代バスと呼ばれ、これから増殖されたハスが現在各地で桃色の花を咲かせている。なおこのハスは花粉粒の状態などから見て、現在のハスとは違う特殊なハスであるといわれている。
ハスも昔は花を観賞するのがメインだったらしい。
周茂叙(しゅうもしゅく)という宗の時代の儒者は、
菊は花の陰逸なるもの也
牡丹は花の富貴なるもの也
蓮は花の君子なるもの也
と書いているので、蓮の花は「君子」と呼ばれる。そこで、洒落好きの江戸町民は、花が「君子」なら、その根すなわちれんこんは「君子の骨」だろうと。で、次の川柳。
泥中を掘って君子の骨を出し
(『誹風柳多留』)
れんこんが食用として重視されるようになったのは、江戸時代。で、
蓮根はここらを折れと生まれつき
(『川柳評万句合勝句刷』)
うまいねぇ、どぉも。
| 固定リンク
« 本しめじ | トップページ | 柿の食べくらべなど »
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
- ティラミスチョコレート(2020.07.21)
「食」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
「野菜(根菜類)」カテゴリの記事
- 伊吹大根のぬか漬け(2020.06.25)
- 大江戸味ごよみ 10月19日(土)べったら市(2019.10.19)
- ~日本食文化のルーツをさぐる~ 在来ごぼうフェスタ(2019.10.07)
- 大江戸味ごよみ 10月1日(火)練馬大根と綱吉と脚気(2019.10.01)
- 福島秀史さんの畑 滝野川ごぼうのタネ採り(2019.08.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント