かき菜
2月の[野菜の学校]に、受講生のお一人が持参してくださった栃木県佐野市の伝統野菜。菜花の仲間だそうです。
ネットで見てみたら、ウィキペディアにこうありました。
第十四巻の東歌、「上野佐野の茎立折りはやし」に登場する。
「可美都氣野 左野乃九久多知 乎里波夜志 安礼波麻多牟恵 許登之許受登母」
読み「かみつけ(上野)の、佐野の茎立(くくたち)、折りはやし(湯がき)、あれ(吾)は待たむえ、今年来ずとも」 とうたわれ、つれない恋人を想う少女の恋情を、春先にしか得られないかき菜の特徴にならぞらえたとみられる。
現在の佐野は下野(栃木県)だが、当時は両毛地区の区分が異なり、上野(群馬県)だった
なるほど。じゃ、『日本の野菜』(青葉高著 八坂書房)にも出ているかも、と思って探してみた。青葉先生によると、
上毛野(今の群馬県)の防人の妻か誰かの歌で、今年は帰れなくとも、私は、この里の茎立を採って和えものでも作って待っていようよ、というもの。(p48)
これをみると現在の群馬県の佐野のあたりでも、茎立を採って料理して食べたことが知られ、奈良時代には茎立菜は全国各地で用いられていた。(p272)
うーむ、こちらは群馬県だ。
「佐野村」で調べると、群馬県にも、茨城県にも、岐阜県にも、富山県や大阪府、兵庫県にも、佐野村という地名はある。
ちなみに群馬県の佐野村は明治時代に成立し、1939年に 高崎市へ編入。明治時代に成立か…。万葉のころはどうだったんだろう。と、謎のなかから出られなくなってしまった。
ま、とにかく、かき菜というのは、万葉のころは「茎立」(くくたち、くきたち)と呼ばれ、各地で食べられていた、古い菜っぱなのでした。
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コメント
足利市の農家では、かき菜を栽培して、一畝単位で売っています。
育てるのは簡単ですが、収穫して市場に出す手間が大変だとか・・・
好きなときに好きなだけ採ってきて食べることが出来ますが、屈んで掻き取るので、腰にきます・・・
独特のエグミがありますね。
投稿: grahams | 2009年3月 2日 (月) 22時04分
■grahamsさん
コメントありがとうございます。
一畝単位! 面白いですねぇ。
たいへんな収穫は買った人がするということですね。
みんな、いろいろ考えるなぁ。
投稿: クサマヒサコ | 2009年3月 3日 (火) 06時25分