漆野いんげんの甘煮
『どこかの畑の片すみで』(山形大学出版会)には、山形大学農学部助教授江頭宏昌先生が、金山町漆野で漆野いんげんに出合ったときの記事が出ています。
1939年(昭和14年)村山地方から来た炭の検査員がインゲンの種子を荒木家に寄贈していったのが、漆野いんげんの始まりであるという。しかし現在、村山地方には漆野いんげんのようなインゲンは見あたらないので由来は不明のままである。栽培は……(略)……三代にわたって守り継がれており、種子を維持しているのは荒木家のみである。
……インゲンマメは味の点から煮豆用とサヤインゲン用品種が異なるのがふつうであるが、漆野いんげんは両方に利用できるすばらしい系統である。
完熟しても莢の筋がやわらかいので煮ると莢ごと子実をおいしく食べることができるのが大きな特徴。しかも煮ると莢は透明になり、中の茶色の子実が涼しげに見える。
莢も豆もしっとりとやわらかく、やさしい甘さ。煮ものというより和菓子というほうが近い、品のいい一品です。
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