江戸野菜の版画
伝統野菜に惹かれるのは、物語や歴史があるからです。野菜ですから、もちろん食べるために作られたのですが、薬になったり、家庭行事や神事に使われたり…。「土地に伝わる知的財産とセットになっている」とは、山形在来作物研究会の江頭宏昌先生のお言葉です。
たとえば、谷中しょうがはお盆のあたりに収穫する葉つきのしょうがです。かつて作られていたのは、墓地のあるあたりではなく、JR山手線・京浜東北線をはさんで反対側の日暮里。大正時代まで、日暮里駅付近では谷中しょうがが売られ、土地の農家や商人、お坊さんなどが、お中元などのギフトに使ったといいます。今でも青果市場のプロは、葉つきしょうがのことを「葉つき」とも「しょうが」ともいわず、ただ「谷中」と呼んでいます。
■亀戸大根↓
とても美しい春の大根。3月頃に都心のデパートにも登場することがあります。亀戸に農地はなくなり、お料理屋さん「枡本」の大根あさり鍋に入っている亀戸大根は、亀戸の近郊だけでなく、茨城、千葉、季節によって長野、北海道で作っているそうです。
下記は、以前、亀戸大根のお祭りに行ったときのメモです。
亀戸大根↓
http://www.wordsworks.co.jp/vege/webmaga/depa/depa_027.htm
福分け祭り↓
http://www.wordsworks.co.jp/vege/webmaga/depa/depa_028.htm
■府中真桑瓜↓
子どもの頃、まくわうりを食べた記憶があります。それほどおいしいと思わなかったけれど、江戸時代にはその甘味がとても喜ばれた。その「水菓子」を作る将軍家の畑「御瓜田(ごかでん)」が府中にありました。
世の中にスイカやメロンが登場し、まくわうりは退場してしまったのですが、府中市では、消えてしまったまくわうりを小学校と市民農業大学で復活させる試みが行なわれているそうです。
この3月、夢助さんは、葛飾区にある山本亭という歴史的建造物で「夢助・江戸野菜版画展」を開きました。来年も桜の季節に開く予定があるとか。
もちろん、江戸東京博物館の「桜茶寮」に行けば、いつでも見ることができます。
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