サワーチェリー
チェリーには生のままで食べるスイートチェリーと、調理しないと酸っぱくて食べられないサワーチェリーがあります。いま日本産で流通しているのはスイートチェリー。一時期、サワーチェリーを普及させようとした活動があったのですが、日本人って生で食べるのが好きですからね。うまくいかず、サワーチェリーの木はみんな切られてしまいました。
長野の果樹試験場にサワーチェリーの木があったそうです。切ってしまうなら…と、当時試験場にいた小林先生がおうちに持ち帰って、育てていた。いま、日本で育っているサワーチェリーの木は、みんなその木がもとになっています。このサワーチェリーも、元をたどればその1本の木に行き着く。命の危ういところを救って、育ててくださってほんとうに感謝です。
昨年は、御倉多公子さんにいただきました。そのときもジャムをつくったのですが、タネを取るのがタイヘンなのね。で、さくらんぼのタネ抜き器をケーキの材料店でみつけたとき、即ゲット。今回、しまっておいたのを取り出して、はじめて使いました。
軸をとったさくらんぼを、穴のあいた円形の小さな皿のようなところにのせて、柄の部分をギュッと握ります。すると、タネが押し出されて、穴から下へ落ちるという仕組み。ですが、けっこう小粒なので、中には小皿の穴から落ちてしまう子もいました。
いちばんタイヘンなタネをとったら、煮ればOK。
念のため本やネットで作り方を調べたら、レモンを使っている。そうか、レモンが必要なんだ、と果汁をしぼろうとして、待てよ。本などに出ているレシピはスイートチェリーを使った場合かもしれない。と気がつきました。これはサワーチェリーだもん。昨年も使ってないし…。
フルーツシュガーが30%しかなかったので、はちみつを適当に足して、ひと晩マリネ。シロップが出たところで20分くらい煮るとできあがり。レモン果汁がちょっと心配だったけれど、やはりサワーチェリーには必要ないと思います。さくらんぼの香りがうれしい、鮮やかな色のジャムです。
来年は、ずっと前にダークチェリーでつくったタルトのリベンジだ!
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