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2009年8月17日 (月)

相模半白節成

Sagamihanjiro02 青梅線羽村駅から少し歩いたところにある食品スーパー「福島屋」に行く機会があると、いつも野菜売り場の「自然栽培」コーナーをのぞきます。また「相模半白」があったので、うれしくなってショッピングバスケットへ。

そうだ。「相模半白」だったら、前に藤岡輝好よこはま青果塾委員長にもらった『かながわの地方野菜』に何か出ているかもしれない。と思って見てみると「相模半白節成(さがみはんじろふしなり)」という項に、とても詳しく当時のきゅうり事情もわかる記事が出ていました。

  • 品種の名称・来歴
     都市近郊に生鮮野菜、特に早出しのウリとして珍重され、関東では江戸後期より在来種のキュウリが栽培されていた。この品種には主に、現在の東京練馬区で育成された「馬込半白」に代表される半白軍と、現在の埼玉県さいたま市中央区で育成された「落合節成」に代表させる青節成軍があり、いずれも中国を起源とする華南系の品種であった。各々、江戸後期に、船着き場でもあった現在の東京都港区を経由して西方より伝播したものとされ、全社は近畿以東に分布する「青長」を起源とし、耐病性を得て早熟向きに改良されたもの、後者は現在の港区付近で改良された「葉込(はごめ)」が起源とされる。特に、半白系キュウリは落合系のキュウリに比べ収量が勝り、果実の形状が安定し、秀品率が高く、節成り性が強く省力性に勝るなど利点が多く、販売の主力品種として県下の促成栽培にお役から取り入れられていた。
     さらに、大正の初めにはキュウリ栽培の促成化が進み、本県でも農家の大きな収入源となった。大市場を近くに控え中郡一帯等で広く栽培され、品種は「馬込半白」を主体としていた。種子は、各生産者が現在の東京都練馬区の篤農家と契約し、収穫盛期の状況を見て株を剪定、後日果実を持ち帰り採種していたものであり、品種として固定したものではなかった。
     このような状況のなか、県農業試験場園芸部では大正11年頃キュウリの研究を始め、昭和2~3年には品種改良に着手、全国より十数種の品種を取り寄せ比較研究を行った。その結果、現在の平塚市下高根、大磯町等の篤農家より収集した「馬込半白」の系統が優れていたため、これを素材に改良、系統選抜を進め、昭和4年に「相模半白節成」(育成者:竹内鼎氏)を発表した。
  • 品種の特性
     果色が緑色部と淡白部に明確に分かれる半白キュウリである。果形は正円筒形で、肉質はしまり、歯切れがよい。
    ※「相模半白節成」は「馬込半白」より系統分離されたものであるが、飛節が少なく、色沢形状が良好(果形は正円筒型で、肩、尻は程より丸みを帯びてしまり、果長は20~25㎝位で、収穫期にはやや長くなる。果色は緑色部と淡白部区分がはっきりしていて新鮮感をそそる。また、両者の違いとして「馬込半白」よりやや長く、淡緑色で豊産)である点で、より改良された特性を持つ。
  • 栽培の特徴
     温度、日長に敏感で、適温下の栽培で能力を発揮し、春から初夏どりに適する。節成性はほぼ完全で、早期収量が多い。多肥栽培に適するが、病害には弱いほうである。
  • 生産の現状
     昭和30年代後半まで関東各地で広く栽培されたが、現在一般の華北系品種の台頭により、主力の座を奪われ、現在は実用栽培は行われていない。
  • 採種
     現在、農業技術センターで定期的に採種し、品種の維持・保存を行っている。また、種苗会社から販売されている系統がある。
  • 栽培上の問題点
    ・白い部分が黄変しやすく、鮮度が落ちやすい
    ・節成の性質が強くて側枝の発生はきわめて少なく、長期にわたる収量性が低い
    ・最近の中・大果系の有料品種と比較すると、収量、食味が劣る
     また、草姿が大柄であり施設栽培には適さない(平成13年宮城県)
  • 加工・調理法
    ・特に、漬けもの用に適す

                     (河田 隆弘)

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