清水森ナンバ
青森県弘前地域に約400年前から伝わるという、とうがらしです。
「清水森ナンバ」。8月の[野菜の学校]のために、スタッフのひとり、クッキングサロン「野菜の食卓」を主宰する白戸啓子さんが、出身地青森から取り寄せてくれました。
- 弘前地域に伝わるとうがらしは、約400年前に、弘前藩主津軽為信公が京都から持ち帰り、広まったもの。
- 大ぶりで辛み成分が少なく、独特の甘味があり、香りがよい。ビタミンCやEの含有量はとうがらしのなかでも特に多い。
- 前弘前大学教授の嵯峨紘一氏は、40年にわたってこのトウガラシを研究。地方品種「弘前在来トウガラシ」と命名した。
- この地方は、1965年ごろまではトウガラシの一大産地であったが、輸入ものにおされて急減。2000年ごろになると生産者が1名になってしまった。
- 2003年、(社)青森県ふるさと食品振興協会の「機能高度化マッチング事業」における嵯峨氏の講演や、たった1人になってしまった生産者を囲んでの意見交換会などを通じて、在来トウガラシ復活の機運が高まり、2004年に、産学官で「清水森ナンバ」ブランド確立研究会が設立され、本格的な検討がスタートした。
- 清水森ナンバブランド確立研究会に関与している組織など
・弘前大学
・青森県中南地域県民局地域農林水産部普及指導室
・青森県中南地域県民局地域農林水産部農業振興課
・青森県総合販売戦略課(県ふるさと食品振興協会)
・弘前市りんご農産課
・農協
なるほど、産学官が一体になって取り組んでいます。そのブランドを作り、維持していくことについては、このように記されていました。
- 現在、清水森ナンバを生産する農家は43戸。
- 清水森ナンバは、ブランド確立研究会の厳重な栽培管理(播種~育苗~生育~収穫まで)の下に生産されている。生産地域は指定され、会員以外の栽培はできない。JAつがる弘前で播種し育苗した苗を、研究会が予約販売している。余ったものは焼却処分。農家の自家採種は禁止している。タカノツメなど、ほかのとうがらしと交雑しやすいからである。ブランドを維持するため、こうした約束事が守られているかどうか、巡回してチェックしている。
厳しいルールは、ブランドを維持するために必要だと思います。ルール違反をした場合の罰則も規定されているとしたら、ホントに守らせようとしているということでしょうね。
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コメント
「清水森ナンバ」研究会中村です。
御紹介頂き大変有難うございました。
機会がございましたら、トウガラシ博士コーナーをご覧下さい。今後とも宜しくお願いいたします。
投稿: 中村 元彦 | 2009年9月22日 (火) 16時29分