[野菜の学校]1 カラフルポテト
食べくらべは、男爵をスタンダードなじゃがいもとし、北海道の森先生が用意してくださったカラフルポテト6種類と比較しました。
*以下解説は資料から
■男爵↓
・産地:北海道J A今金町
・特徴:でんぷん質をたっぷり含んだ品質の良さと、ホクホクとした味わいから「今金男爵」の全国ブランドで知られる。「どっちの料理ショー」やNHKの番組でも紹介。
・重量:150g/1個
■インカのめざめ↓
・産地:北海道 北海道農業研究センター
・特徴:アンデスの2倍体在来種とアメリカ品種を交配して選抜。栗やナッツのような風味。キタアカリの3倍のカロテノイドを含み、タンパク質含量は男爵薯を遙かに超える。煮崩れにくく、滑らかな食感。姿形は非常に小さく、卵形。食味に優れる反面、栽培には技術を要する。収穫後の休眠期間が非常に短く(10日程度)、すぐに目が出てしまう。収穫後、適正温度で貯蔵すると糖度が上昇する
・重量:60g/1個
■ノーザンルビー↓
・産地:北海道 北海道農業研究センター
・特徴:紫肉品種「キタムラサキ」の開放受粉種子より選抜。切断面全体が赤色で色むらがなくアントシアニン色素の含量は2mg/g程度。綺麗な赤色の果肉と、健康増進という付加価値を訴求できる。でん粉価は16程度。煮崩れ度合いは中。調理用(水煮、チップ等)の特性を持つ。
・重量:70~80g/1個
■シャドークィーン↓
・産地:北海道 北海道農業研究センター
・特徴:紫色の果肉を持つ新品種。紫肉品種「キタムラサキ」の開放受粉種子より選抜。「キタムラサキ」「インカパープル」より濃い紫肉をしており、アントシアニン色素は約3倍。でん粉価は19前後、果肉は粘質系。用途は調理用。食味が良く、チップとフライの変色も少ない。
・重量:80~120g/1個
■さやか↓
・産地:北海道 北海道農業研究センター
・特徴:大粒の白い果肉で粉質と粘質の中間。淡い風味で、個性はない。ドレッシングやマヨネーズと馴染みやすく、ポテトサラダなどの惣菜加工向けに人気の高い中生品種。業務用ポテトサラダはほぼこの品種が使われる。
・重量:70~140g 平均100g/1個
■はるか↓
・産地:北海道 北海道農業研究センター
・特徴:皮が白く、目の回りが赤くなるのが特徴。目が浅いため皮がむきやすく、皮むき後の褐変も少ない。姿形は倒卵形で、男爵薯よりも大粒。でん粉価は16程度で、男爵薯よりもやや少ない。やや粘質で、煮崩れ度合いは少なく、水煮適性は男爵薯より優れる。
・重量:50~150g 平均90/1個g
■こがね丸↓
・産地:北海道 北海道農業研究センター
・特徴:フライに向く品種。食感がやや堅めだが、ホッカイコガネと甲乙付けがたい高評価を得ている。デンプン専用品種なみのデンプンを含有するため、マッシュして芋餅などにしてもおいしい。
・重量:90~280g 平均140g/1個
男爵は、食べ慣れた芋らしい味ですが、今回の男爵は思ったよりホクホク感がありませんでした。カラフルポテトについては、さまざまな意見が出ました。ただ、どれも収穫したばかりのものですので、それぞれの特徴が出ているとはいえません。
たとえば、インカのめざめなどは、適正な温度・湿度管理で1年くらいおいたほうが糖度があがっていいとのことで、それを収穫後すぐに評価するのはちょっと気の毒な気がしました。
男爵は、世界中で日本にしか残っていない古い品種とのこと。古いものそれを守ってよい品を作っている栽培の力はスゴイと思いますが、すぐれた新しい品種が研究されても、なかなか手に入らない、食べられないというのも残念です。
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コメント
はじめまして!
松太郎ママと申します。
今年の春、ご近所の園芸友達から珍potatoの種いもを分けていただき、畑で育てたいも達がクサマさんの記事に登場!うれしくなっちゃいました〜
ノーザンルビーやシャドークイーンは見た目はサツマイモ?と思いきや、味はじゃがいもで私はポテトサラダにしました。シャドークイーンは確か花に香りがあって、茎が紫でおしゃれな感じです。切り花でも楽しみました〜
日本の品種改良の技術は本当に驚きですね。
投稿: 松太郎ママ | 2009年10月15日 (木) 10時43分
■松太郎ママさん
はじめまして。ご覧いただきありがとうございます。
カラフルポテトを作っていらっしゃるんですね。いいですねぇ。
買おうと思っても、お店には売ってませんから
なかなかお目にかかれません。
ふつう、ジャガイモというと男爵やメークイン、きたあかり…。
品種改良の成果を一般消費者も味わいたいと思います。
投稿: クサマヒサコ | 2009年10月15日 (木) 15時48分