八百屋 瑞花

高広青果のヨシエさんが「すてきな八百屋さんがある」と朝日新聞の記事をファクスしてくれました。若い女性が、一から八百屋さんをスタートさせたというのです

「瑞花」と書いて「すいか」と読みます。
お店が忙しくない時間帯を聞いて、行ってみました。神楽坂の近く、大久保通りに面した3坪のお店です。

一時間くらいお店にいて、いろいろ話を聞きました。
その間にもお客さんが次々にやってきます。陳列されていたカーボロネロを手に取ったお客さんがいました。
「これなあに？」と聞いていましたから、もちろん初めてでしょう。
「キャベツの仲間ですね。ひき肉とか干しえびとか…、アミノ酸系とあわせて炒めたりすると、味がすごく濃くて…。昨日もパスタにして食べたのですが、よく火を入れてあげるとおいしいですね」と店主の矢嶋文子さん。
すると「じゃ、いただいていこう」とお客さん。
ああ、やっぱりコミュニケーションの力ってすごいな。
初めての野菜って食べ方がわからないから、買いにくい。でも、それをきちんと説明されると、その野菜の魅力に惹かれて、新しい味に出合いたいと思うわけです。

「いい“紅しぐれ”が入ったので食べてみてください」と、ひと切れいただきました。甘くてみずみずしくて…。紅しぐれは、前に食べたことがありますが、なんだかそのときよりおいしい感じ。
「紅しぐれ、ゆでたらどうかしら、と思ってゆでているんです」と、鍋を見せてくれました。
「毎日、そんな風に試食用のお料理をなさるの？」と聞くと、試食用に用意する野菜は、日によってあったりなかったりとのこと。りんごをカットしたり、みかんをむいておいたり…。

「食べることって楽しいでしょう？」と矢嶋さん。
「おいしくて、楽しくて、かつ、自分の活力になって…。この食材をおうちに持って帰って、どうやって楽しく食べようか…。今日、こんなヘンな野菜を見つけて、こういう風に食べろっていわれたから、食べてみようとか」

私の家の近くには、八百屋さんが2軒あったのですが、賑わっていたお店のほうが公文の教室になってしまいました。うちの近所だけでなく、都内の八百屋さんの数はどんどん減っています。そんなときに新しく始めた、食べる楽しさを伝えたいという八百屋さん「瑞花」。日・月が定休日なので、なかなか毎日の買い物にはむずかしいのですが、近くに行ったら寄り道したい、すてきなお店です。

■瑞花（すいか）
・所在地
〒162-0857新宿区市谷山伏町1-5
tel-fax  03-6457-5165
・ブログ
http://yaoya-suika.tea-nifty.com/