越津ねぎ
〔野菜の学校〕(※上の写真)では、スタッフが「これホントに越津ねぎ?」と首をかしげましたが、[八百屋塾]でも「自分が知っている越津はもっと長かった」「昔はふきが入るような長い箱に入ってきた」「青い葉がこんなところでカットされてなかった」……などなど。
私も、初めて越津ねぎに会ったときは、青い部分が先のほうまであり、すごく長かったような気がする。根も葉も食べる、とてもやわらかくておいしいねぎだが、傷みやすいので関東の市場には出てこない、と聞いた。
その食べられる青い葉がこんなにカットされちゃうのは、なぜだろう。それが特徴なのに、どうして他のねぎと似たような姿にしてしまうのかしら。せっかく差別化できる点なのに、すごく残念。
『地方野菜大全』(農文協)によると
- 越津ねぎ
京都の九条ねぎ(葉ねぎ)と関東の千住ねぎ(一本ねぎ)に対応される尾張特産のねぎである。原産地は現在の津島市越津町とされ、徳川時代から栽培されていたと伝えられている。
尾張平野のねぎ栽培は、本種で占められてきた。分けつ性が高く、葉・根深部ともに食用にするのが特徴である。
ただし、「消費者の越津ねぎに対する認識の低さ」と「葉と根深部をもったものを作る労力は多大」であることから、「従来の品種を用いた越津ねぎの生産は冬季が主」という。
関東のねぎは白い部分がおいしいから、お店が説明しないとお客はフツーねぎの青い葉を食べない。だけど、博多ねぎや九条ねぎが進出してきているし、関東で葉ねぎが売れないわけではない。むしろ今後は葉ねぎが伸びるんじゃないかという話もある。だから、越津の青い葉は、白ねぎの青い葉とは違うことをちゃんと説明すれば売れると思うけどな。
昔見たような越津ねぎは、関東のスーパーマーケットのサイズには合わないのかな。八百屋と違って説明もできないから、青い葉は売れないと決めているのかもしれない。
〔野菜の学校〕にも[八百屋塾]にも、名古屋出身の人がいたので、現地の青果売り場にどんなねぎが並んでいるのか、聞いてみた。二人とも長いこと帰ってないから今のことはわからないらしいけれど、一人は、東京へ出てきたとき、ねぎって青い葉っぱだと思っていたのに、白い根しか食べないので驚いたという。もう一人は「白い部分が短く、青い葉が長かった」と。
今は愛知県内でも、長くておいしい葉をばっさり切られたこんなかわいそうな姿で売られてるんだろうか。
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