練馬だいこん
[野菜の学校]のテーマと同じなので、録画してチェック。練馬大根も登場したのですが、「あれ? 見たことある顔」と思ったら、[野菜の学校]のために高広青果のヨシエさんといっしょに大根を掘りに行った、練馬の渡戸章さんと、その圃場でした。
大根掘りをしたのは、[野菜の学校]の前日。「全部で20本」と、ヨシエさん。私も、渡戸さんに手伝ってもらって5本くらい抜きました。すごくたいへん。下ぶくれだからね。これじゃみんな、上から下まで同じ太さの総太りに移行するのも不思議はない。
生産者は「抜いてくれるなら作るよ」と言う、と教えてくださったのは、江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂先生。この生産者って渡戸さんですね、きっと。先生のご本にも登場してます。
やまけんこと山本謙治さんによると、練馬大根は練馬区のアイデンティティのようなものだから、区が生産者に委託して栽培を継続しているそうです。で、ちょっと調べてみた。
◇平成10年度(10年以上前)の事業概要
- 生大根1000本無料配付用、干し大根5000本漬物用に委託。
- 栽培品種:早太り練馬大根。
早太り練馬大根は練馬区東大泉の渡辺徳右衛門が昭和25年(1950年)に開発した品種。往年の「練馬尻細」と似ており、根身中長で肉付きがよく、肌は純白、たくあん漬けに適している。
ってことは、いま作られているのは「往年の品種」ではないのね。
大竹道茂先生の『江戸東京野菜』(農文協)によると
- 練馬大根は、五代将軍綱吉が栽培を命じたとされている。
- 文政11年(1828年)の『新編武蔵風土記稿』に「練馬大根」という名前が登場する。
- 日露戦争後、たくあん需要が高まり、大量生産されるようになった。
- 昭和8年(1933年)のバイラス病の発生以後、被害が続き、昭和27年(1952年)ごろには、栽培が途絶えてしまう。
ちょうど渡辺徳右衛門さんが、この品種を開発したころね。そしてその36年後、平成元年(1989年)に区の練馬大根育成事業で復活への道をスタートしたわけだ。
練馬だいこんは、いまやたくあんだけじゃない。「大根うどんができるんだよ」と渡戸さん。だいこん葉を粉にして練り込むらしい。「エン座」というお店で食べられる」という。行ってみたいな。
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