おしゃべりな畑
昨年、「山形在来作物研究会フォーラム2009」に参加したとき、この本が間もなく出版されるという案内があり、楽しみにしていました。そろそろ出ているはず、と研究会のサイトをチェックし、[野菜の学校]の仲間と申し込みました
山形在来作物研究会編『どこかの畑の片すみで』の続編です。帯には
46品種の作物事典、スペシャリストたちによる座談会、在来作物にしのびよる危機と、降り注ぎはじめた新しい光もルポ。第2弾は、元気に声をあげはじめた在来作物たちでいっぱいです。
とあり、「日本の伝統野菜・地方野菜」をテーマに展開する、4月からの[野菜の学校]に役立ちそうです。特に「なぜいま、伝統野菜なのか」という問いに対するすてきな答が、こう書かれています。
在来作物の一つめの価値は、知的財産としての価値です。つまり、地域の歴史や文化、生きる知恵などを伝えてきた媒体(メディア)です。在来作物には、何十年、何百年もの間、世代を超えて共有されてきた味、香り、手触り、外観などの感覚も存在します。この共有によって、過去の歴史や文化を現実のものとして具体的に理解することができるのです。
山形在来作物研究会会長江頭宏昌先生が、「はじめに」で、「本を出版する意図は三つ」と述べておられる部分を引用します。
- 先行きが見えない中でも心豊かに在来作物を守ってきた農家への感謝
- 山形県の農の伝統と多様性を尻、今後の荷へ本の持続的で豊かな暮らしのヒントにすること
- 百年後の県民に、現在を知る手がかりを提供すること
■おしゃべりな畑
山形在来作物研究会編 山形大学出版会刊
定価:本体1429円+税
問い合わせは山形在来作物研究会へ
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