亀戸大根福分けまつり
亀戸香取神社での福分けまつり、寒い雨の降る日曜日でした。ことしは11回目。私がこの前行ったのは、2003年ですから7年前です。その頃と比べてずいぶん盛んになっています。雨なのに、たくさんの人が大根汁に並んでいました。
山形在来作物研究会会長の江頭先生が「亀戸大根福分けまつり」にいらっしゃる! 江戸東京・伝統野菜研究会会長の大竹道茂先生からご連絡をいただき、喜び勇んで出かけました。なにしろ、4月からの[野菜の学校]のテーマ、「日本の伝統野菜・地方野菜」で、江戸と山形(庄内)の講師としてお願いしているお二人がお揃いなのです。どうしても行かなくちゃ。
まず、「収穫祭」からスタート。晴れていれば、亀戸大根の石碑の前で執り行われるのですが、雨なので神殿内で。学校で亀戸大根を作った小学生たちが、神前に大根を奉納します。神主さんが祝詞を唱えるのですが、「…宅地開発が進み…」と祝詞の口調で亀戸大根の由来を説明して、なかなかわかりやすかった。
写真は、小学生が奉納した亀戸大根。
「収穫祭」の後は境内で「福分けまつり」。亀戸大根は、別名「お多福大根」なので、その福を分けてくださるおまつりです。亀戸大根汁で暖まり、亀戸大根をいただきます。前に来た2003年には、小学生が作った大根をもらったように記憶していますが、今回は、大竹先生のご本『江戸東京野菜 図鑑編』(農文協)に登場する鈴木藤一さんのお作。「収穫するときに雨だったので、葉っぱが傷んでしまった」と、鈴木さん。いえいえ、十分に美しかった。
福分けまつりが終わったら「升本」でランチ、と決めてました。そろそろおいとましようかなと思っていたら、大竹先生が誘ってくださった。もちろん「升本」です。うれしい! [野菜の学校]スタッフ3名(クサマ含む)は、大竹先生、江頭先生と幸せなランチをいただいたのでした。
ランチの後は亀戸駅までぶらぶら。途中で升本のショップに寄って、おみやげを買いました。駅に近づくと、大竹先生は「みなさんお帰りはJRですか。じゃあ、もうひとつご案内したいところがある」とおっしゃる。なんだろう、とプラットホームに上がりました。見えた!(下の写真) 亀戸大根の畑です。「かめの会」という亀戸商店会を中心にした集まりが、駅の敷地に作っているのだそうです。「“かめいど”という駅名を入れて撮るといいですよ」と大竹先生。大根畑をクローズアップした写真も撮りました。「いろいろと活発ですね」と、江頭先生も感心しておられました。
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コメント
草間さん、お世話になりました。私は亀戸大根の福分け祭に圧倒されました。鳴り響く太鼓の音。境内を埋め尽くす老若男女。もらったダイコンを大事そうに持ち帰る人々。社の神様もずいぶんとお喜びになって、参拝者にたくさんの福を分けてくれたことでしょう。
亀戸大根の碑の右側に見える小さな案内板(写真)が今の賑わいの原点だそうです。大竹先生によると、平成9年に設置されたこのような江戸東京野菜の屋外説明板で東京各地に50くらいあるとのことです。この説明板の設置がきっかけになり、商店街や地域の人々が大根で地域をもり立てようと取り組んで来たのだそうです。地域の活性化って、まさにこれだと勉強になりました。
投稿: 江頭宏昌 | 2010年3月16日 (火) 10時40分
■江頭先生
ブログをご覧いただきありがとうございます。また、コメントをちょうだいし、重ねてお礼を申しあげます。
土地の宝物を、その土地の方は案外ご存じないのかもしれませんね。
お祭りって、ふだんあまり伝統野菜に関心のない人にもアピールできる点が素晴らしいと思います。日本全国に、こういうお祭りが増えていきますように、と祈っています。
投稿: クサマヒサコ | 2010年3月16日 (火) 16時40分