藤沢かぶの後藤勝利さん
山形在来作物研究会の機関誌“SEED”のカメラマン、東海林晴哉さんが撮影。焼き畑で藤沢かぶを復活させた後藤勝利さんご夫妻の写真です。
私が後藤さんと藤沢かぶのことを初めて知ったのは、園芸研究家の御倉多公子さんが教えてくれた新聞記事です。その後、『どこかの畑の片すみで』(山形在来作物研究会編・山形大学出版部刊)が出版され、そのなかで次のように紹介されています。
鶴岡市藤沢地区には藤沢カブと呼ばれる赤白の長カブがある。昭和60年代に同地区の渡会美代子さん一人が自宅近くの畑に栽培するだけとなり絶滅寸前となった。そのとき地元の新聞記者や漬物店「本長」などの支援、焼き畑のカブ栽培を続けてきた藤沢地区の農家後藤勝利さんの努力で藤沢カブが復活し、現在も毎年、本物の味を求めて焼き畑栽培が行われている。後藤さんの持つ林業と焼き畑の複合技術、火入れ前後の地ごしらえの丁寧さと畑の美しさには、毎年ほれぼれとさせられる。
また、今年1月に発刊された『おしゃべりな畑』(山形在来作物研究会編・山形大学出版部刊)には、こうありました。
藤沢地区で50年近く毎年欠かさず焼き畑を続けてきた後藤勝利さんは、1980年末ころから藤沢カブの焼き畑栽培を復活させて次第に注目を集め、地域を活性化させてきた功労が評価され、つい先日の3月21日に平成19年度鶴岡市農業発展奨励賞を受賞した。また2月その復活の物語と焼き畑の苦労を描いた「おじいちゃんのカブづくり」(つちだよしはる著、そうえん社)という絵本も出版された。
それにしても、後藤さん夫妻の笑顔、青空と雪…。写真から冷たく澄んだ明るい大気が伝わってきて、東京の小さな事務所から庄内の焼き畑へワープさせてくれます。
東海林さんは、この写真をnature net というサイトの取材のときに撮影したそうです。そのレポートによると、雪は60~70㎝はありそうだったとか。藤沢かぶは、その雪の下にいたんですね。そのかぶの収穫を手伝った東海林さん、私の事務所に送ってくださいました。
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