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2010年4月26日 (月)

島らっきょうはネギ科ネギ属

Sima_rakyo01
[野菜の学校]で食べくらべの中心になった島らっきょう。
学校で配付した資料の「分類」の項目には「ネギ科(旧ユリ科)」としました。

Bunruihyo
らっきょうが「ネギ科」というのは新しい分類です。ついこの前までは「ユリ科」だった。たとえば『花図鑑・野菜』(草土出版・1996年第一刷)の「分類」では「ユリ科ネギ属」となっています。その「ユリ科」が「ネギ科」に分類されるようになった理由は、DNAの研究が進んだこと。写真は、新しい分類がのっている『植物分類表』(アボック社)です。

昨年、この本の著者、東京大学総合研究博物館教授大場秀章先生が、「キッチンガーデンクラブ(代表:園芸研究家・御倉多公子さん)」の例会で講演をなさいました。演題は「アスパラガスがユリ科ではなくなったという新事実 -DNA研究の成果を採り入れた新しい分類体系とその紹介-」。
そのときのお話をまとめてみると

  • 進化論以前の分類は「自然分類体系」で、属→科→目→綱→門、と類似の度合いを階層的に集約した。その体系化の基準は「カタチの似より」。
  • 進化論はすべての生物は血縁的に連続しており、すべがひとつの共通の祖先から派生していたということを説くものである。そこで、進化論が発表されるとすぐ、生物の血縁的関係の近疎に基づく体系化「系統分類体系」の考えが提唱された。しかし、血縁的関係の近疎を推定するすべがなかった。
  • 1990年代、遺伝物質である細胞内のDNA(デオキシリボ核酸)の塩基構造が解読できるようになり、そのデータから系統的な近疎が高い精度で推定可能になった。多くの研究者が多様な植物の塩基配列の解読を競い、その結果、陸上植物の系統関係の大綱をかいま見ることができるようなった。
  • DNAの構造からわかってきた系統関係は、これまでの「カタチが似ている度合い」に基づく分類体系とは大きく異なるもので、植物の分類体系は大幅に書き換えられた。
  • 今後DNAが解読されていく過程でさらに変更が起きる可能性はあるが、これまでの分類は過去のものであり、新しい体系が主流となる日がくるのは明らか。

知っている野菜で分類が変更されたものは…

  • ほうれんそうはこれまでアカザ科だったが、アカザ科は消滅し、ヒユ科に分類される。
  • ということは、同じアカザ科だったオカヒジキもヒユ科になる。
  • アスパラガスは、これまでユリ科だったが、キジカクシ科に分類される。
  • ユリ科ネギ属だったアサツキ、ラッキョウ、ギョウジャニンニク、ポロねぎ(リーキ)、ネギ、タマネギ、シャロット、ニラ、ニンニク、ワケギは、ネギ科ネギ属になる。

ネットやマスコミの記事などに古い分類のままのものを見かけますが、研究は進み、常識だと思っていたことがどんどん変化しています。学問の成果は遠いところにあるのではなく、身近なところに影響している。野菜の神様・江澤正平先生が「一生学び続けなければならない」とおっしゃって、95歳でお亡くなりになる直前まで勉強していらしたことを思い出します。

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