[野菜の学校]④加賀つる豆
つる豆は「ダラ」ほどとれるという意味から「ダラまめ」とも呼ばれる。「ダラ」というのは、金沢あたりの方言で「バカ」「アホ」に近い意味、と[野菜の学校]6月の講師の小畑文明さん。つまり、たくさんとれるってことですね。「千石豆」とか「八升豆」という別名も、由来は同じでしょう。配付資料にもありますが、つる豆はいろいろな名前で呼ばれています。
ちなみに、『日本の野菜』(青葉高著・八坂書房)には、ツルマメはシベリアから日本に野生する大豆の原種の名称として出て来ます。こちらの別名は「ノマメ」。
- マメ科フジマメ属
- 正式名称は「ふじまめ」。この名は、初夏から秋にかけて藤を逆さにしたような花が咲くところから
- 耐乾性があり高温にも強いが、低温には極めて弱い。生育適温は13~28度、適温は23~28度
- 長さは10cmほどで、へん平な鎌のような形で、先端がくちばしのようにカーブしている
- 千石豆(センゴクマメ)、隠元豆(インゲンマメ)、南京豆(ナンキンマメ)、馬鹿豆(ダラマメ)、あじ豆(アジマメ)、八升豆(ハッショウマメ)、とう豆(トウマメ)、源氏豆(ゲンジマメ)など
- ビタミンB群が多く、エネルギー代謝を助ける
- カロテン・タンパク質・鉄を多く含み血行を促し、食欲増進、疲労回復に効果がある
- ゆでて和えもの、てんぷら、煮ものなどに
- さや全体に短い産毛のようなものが生えていて、独特の食感がある
- 産毛のために汁のからみがよく、煮ものに多く使われる
■試食 つる豆と厚揚げの味噌煮
まことに「おいしそう」とは言いにくい姿ではありますが、思いがけず美味でした。つる豆のクセが、みそのおかげでいただきやすかった。
『加賀野菜それぞれの物語』(松下良著・橋本確文堂)によると、つるまめの煮ものは金沢の夏を代表する味覚とか。なすと合わせるらしい。
- つる豆は筋をとってゆでる。
- 出し汁に砂糖、酒を入れ、厚揚げを加えて10分くらい煮る。
- みそを溶き入れ、つる豆を加えてひと煮立ちすればできあがり。
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