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2010年7月16日 (金)

[野菜の学校]②寺島なす

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寺島(てらじま)なすは、つい最近まで栽培が絶えてしまっていた江戸野菜。書物のなかだけに存在した野菜を手にとって見られる、食べられるなんて、夢のようです。
2009年、ジーンバンクに保存されていたタネを、江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂先生が見つけだし、農家のサポートを受けながら小学校で栽培を始めたそうです。いまでは築地市場に出るところまでになって、そんな新顔野菜(というのはヘンだけど、多くの知らない人にとっては新しく登場した野菜です)にしてはなかなかのご活躍。押上「よしかつ」や東京駅「ミクニマルノウチ」でもお目にかかりました。

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[野菜の学校]では、寺島なすと千両なすを食べくらべました。そこで話題になったのは、寺島なすのサイズです。
寺島なすは「蔓細千成(つるぼそせんなり)」という品種で、もとは卵くらいの大きさなのだそうです。それが千両なすよりも大きいのは、使ってくれる料亭やレストランの希望で、大きく育てているとか。
千両に比べて、果皮が厚くしっかりしています。果肉も緻密。果皮と果肉のバランスがとてもよくて、なす独特の風味がありました。

■配付資料から

  • ナス科
  • 品種:蔓細千成(つるぼそせんなり)
  • もともと鶏卵くらいの大きさ
  • なす特有の香りが強く、肉質は緻密、光沢のある黒紫色した実が特徴
  • 名前の「寺島」は、墨田区東向島あたりを指す。かつては寺島と呼ばれ、早生なすの産地として知られていた。現在の「寺島なす」は、茨城県の農業生物資源研究所に保存されていた「蔓細千成」の種子から、2009年に復活したもの
  • 「蔓細千成」は東京原産。「江戸なす」とも呼ばれ、江戸の東部で作られていた。早生種で茎が細く、たくさんの枝を出して、大量のなすを実らせたことから、この名がついた。京都のもぎなすはこの系統をひくものといわれている
  • 水分93.2%、エネルギー22kcal/100g(食品成分表より)
  • ナスの濃紫色はアントシアン色素、主に紫色のナスニンと青緑色のヒアシンで、鉄釘の鉄イオンやみょうばんのアルミニウムイオンで安定し、濃い青色になる
  • 漬物用の小ナスではなく、千両なすなどと同じ使い方をする

■試食「寺島なすの田舎煮」
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  1. 茄子のヘタの先を取りのぞき。縦半分に切る
  2. 斜めに包丁目を入れ、斜めに2つに切り水にさらす
  3. 鍋にサラダ油を熱し、皮目を下に入れて炒め、水、砂糖、赤唐辛子を加え、落としぶたをして約8分煮る
  4. 醤油を入れて仕上げる

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