[野菜の学校]③東京うど
野菜の学校]でお話をしてくださった、江戸東京野菜研究会代表の大竹道茂先生のご本『江戸東京野菜・物語編』(農文協)によると
- 『北豊島郡誌』によると、文政年間(1804~18)に独活が販売用として、石神井村(現・練馬区)で促成栽培された。文政年間(1818~30)には近隣の大泉村(現・練馬区)に移った。品種は俗に「赤芽うど」と呼ばれる、促成に適した早稲種。
- 一説には、文政年間(1818~30)に旧武州多摩郡上井草村寺分(現・杉並区西荻北)の古谷岩右衛門が尾張で栽培法を習い、根株を導入したところ立派なうどができたので、一帯に広まったとされる。
- 文政3年(1820)に発行された『武蔵名勝図絵』には、野方領の産物として、10月~翌年2月までの「もやし独活」と、3、4月に出る「床独活」があげられている。
- その後、愛知や三重から、アクの少ない品種を導入。当初の栽培法は、畑に溝を掘り、根株をぎっしりと並べ、そこに上から土をかける方法でもやしをつくり、その後、土をかけずに溝をむしろなどで覆って軟化する「岡伏せ」という方法。収穫したうどに土がつかないので市場での評価が高かった。
- 現在は「穴蔵軟化法」で栽培されている。芽のついた根を畑に植えて、太陽の下で大きく育てる。葉が茂り、花が咲いて、やがて枯れ、根株は休眠する。その根株をしばらくして掘り出して保存。出荷時期から逆算して、根株を穴蔵に入れ、熱で休眠から起こし、発芽させる。収穫までに1年以上かかる。
200年以上前から販売用として作られていること、美しさをたいせつにしていること、出荷時期・出荷量をコントロールできるようにしていること…。さすが都市農家の野菜です。
- ウコギ科タラノキ属
- 畑で太らせた根株を穴蔵に植えて、白い茎を成長させる軟白栽培で作られる。1つの根株から2~3本の茎が育つ
- 70~80cmになると出荷される。色白で肌がきれいなものがよい
- 山うどに比べてアクが少なく、シャキッとした歯ざわりが特徴
- 水分94.4%、エネルギー18kcal/100g(食品成分表より)
- アスパラギン酸を含むため、尿の合成を促進し、アンモニアを排泄するほか、エネルギー代謝を高め、肝機能の改善、疲労回復に効果がある
- 微量のタンニンを含むため、切り口が褐変する
- 皮をむき、生食にする。皮はきんぴらにすると香りがよく歯ごたえがある。穂先は天ぷらに。茎は生のまま味噌をつけて食べたり、サラダ、酢の物、酢味噌あえ、梅肉あえなどにする
- 白醤油を使って白煮、炒め物にしても香りがよい
- 白く仕上げたいときは、切ったものから水につけたる。さらに白くしたいなら、酢水につけるとよい
- うどの皮は厚めに剥き、サイコロに切って水に晒す
- 梅干しはタネを取り除き、果肉を包丁でたたく
- 2にだしとみりんを加え、水をきった1をあえる
- 上記Aで剥いた皮を、繊維にそってせん切りにし水に晒す
- 鍋にゴマ油を熱し、水をきった1を加えて炒める
- ハチミツと醤油で調味する
立川には有名なうど作り名人がいて、そこから、うどラーメンやうどにぎり、うどピザ、うどパイ、うどまん、うどせん、うどあられなどなどいろんなうど関連の食べものが生まれ、街おこしになっているそうです。うどラーメン食べてみたい。
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