野菜の学校(6) あさづき
[野菜の学校]9月の講師、長岡野菜ブランド協会会長の鈴木圭介さんからいただいたファクスに、‘あさづき’と書いてあったので、「私たちは、あさつき、と呼んでいますが…」とうかがったら、「いえ、あさづきが正しいんですよ」とおっしゃって、教えてくださった本があります。
▼川上行蔵著『つれづれ日本食物史』
鈴木会長は、「川上先生は、鈴木梅太郎のお弟子さんで栄養学者…」とまるで知り合いのような口ぶり。うかがっていくうちに、「川上先生は長岡の出身」というお話が出て来て納得しました。
「あさづき」の項には、長岡の話が出て来ます。
浅葱と書いて「あさづき」と読むことになっている。…(略)…浅葱は葱の仲間で鉛筆ぐらいの太さの約40cmほどの筒状のものである。根は辣韮(らっきょう)のような白い玉になっている。その玉はさわやかな辛さを持っていて、新潟県では蕎麦を食べるときの辛味として「浅葱」を愛用する風習がある。特に長岡市の周辺では、蕎麦といえば浅葱を連想し、「あさづき」といえば蕎麦を連想する。…(略)…浅葱を蕎麦の辛味にするときは、丸のままかじるのであるが、その歯ざわりの感触が蕎麦のうま味の一部分ともなる。
<あさつき> ※配付資料から
- ネギ科ネギ属の多年草
- 筒状の葉がワケギに似ているが、さらに細くて長さ30~40㎝程になり、辛味は強い
- あさづきに関する文献は、『延喜式』(927年)が最も古く、あさづきはおそらく『延喜式』およびその後のものであろう(川上行蔵著『つれづれ日本食物史』)
- ネギ特有の硫化物を含み、殺菌効果がある
- カロテンを多く含むため、粘膜を守り、抵抗力をつける
- ニンニクと同様にアリシンを含み、B1を吸収しやすいアリチアミンに変える働きがある
▼食べるときは皮を剥いてかじる
写真は乾燥あさづきの、皮つき(奥)と剥いた状態(手前)。
長岡では、生で味噌をつけて食べたり、ゆでて酢味噌和え、しょうがじょうや、酢のものにするそうです。
薬味として、生をかじりながら蕎麦を食べるというので、ちょっとかじってみました。辛いのですが、パキッとしたストレートな味ではなく、ぬめりのある辛さというのか、粘りのある辛さというのか…。辛いものによくある刺激臭も感じませんでした。
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