野菜の学校(7) ゆうごう
「夕顔」の実のことを長岡では「ゆうごう」と呼びます。茹でてあんかけにしたり、鯨汁に入れたりするのが伝統的な食べ方。そのほか味噌汁や煮付けにも使います、と、[野菜の学校]講師の鈴木圭介長岡野菜ブランド協会会長。
「夕顔の実は、関東ではかんぴょうにするのですが、形が違いますね」と、受講生から質問がありました。「品種も違います」と鈴木会長。
「夕顔は、ほかではあまり食べないのではないでしょうか。長岡には、古くから夏に熱い鯨汁を食べる習慣があり、その実として欠かせないのがゆうごうです。食材が限られていた時代、たんぱく源である塩鯨を夏野菜といっしょに煮込んで、夏バテを防止しようとした。藩政時代の記録にある、古くからの食べ方です。そんな伝統的な料理があるから、ゆうごうも残っているのでしょう」
<ユウガオ> ※配付資料から
- ウリ科、ツル性一年草
- 北アフリカ原産。日本には平安時代に伝わった
- 大きな果実を実らせることが特徴。6~7㎏にもなる
- 同じく大きな実を実らせるウリ科のヒョウタンと同一種であり、ヒョウタンがインドに伝わって栽培されるうち、苦味の少ない品種が食用のものとして分化、選別されたと考えられている
- 越後ではユウガオのことを「ユウゴウ」という
- カルシウム、リン、鉄分の含有量が多く、利尿・解毒の効果があるといわれている
- 食物繊維を多く含み、腸内のビフィズス菌を増やして腸内環境を改善、整腸作用を促すと共に、血中コレステロールの上昇を抑制し、発ガン因子となる生体異物の分解と体外排出の促進などの効果が認められている
- 苦味の成分はウリ科のククルビタシン。唇のしびれ、嘔吐、腹痛、下痢などを起こす場合もあるので、未熟なものや苦すぎるものは食べないほうがよい
- 実は食用のほか容器としても用いられる
- ユウガオの実を細長い帯状に剥いて加工したものがかんぴょう(干瓢)で、巻き寿司や煮物などに使われる。栃木のかんぴょうはユウガオの栽培変種フクベ
- 沖縄、秋田、栃木、山梨、信州などでも栽培されており、冬瓜と同じように煮物、汁物にしたり、炒め物、または生のまま胡麻和えなどにして食べる
- 冬瓜に近いが苦味があり、実の透明感も異なる
- 新潟では白和え、とろみのあるユウガオ汁、辛しあえ、鯨汁や冷や汁の実など、夏の惣菜の材料として使われている
▼ゆうごうの塩もみ
やわらかく、なめらかで、きめ細かい、シルクのような食感。最近のきゅうりが追求しているパリパリ感とは正反対のベクトルです。和えものとか、サラダにもよさそう。
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