八百屋塾(2) きのこ
10月の八百屋塾、テーマはきのこです。
今年は毒きのこがニュースになりました。墨田区ではニガクリタケ、長野ではクサウラベニタケ。
講師のJA中野市営農部きのこ販売係長で「信州きのこマイスター」の出川秀隆さんによると、日本には約1万種のきのこがあるそうです。そのなかで名前がついているのが約3000種類、このうち毒きのこは約1割・300種類、さらに命にかかわる劇毒きのこが、その約1割・30種類。これはもちろん、山のなかで出合うきのこの1%ということではありません。「劇毒きのこばかり出合うということもあるから誤解のないように」と出川さん。「毒きのこ300種類、劇毒30種類だから、食べられるきのこをおぼえるよりも、毒きのこをしっかりおぼえたほうがいい」。確かに。
今回は、生しいたけやえのきといったフツーお店に並んでいるもの以外のきのこを集めた、と東京青果のご担当。展示テーブルいっぱいに、特徴のあるきのこたちが並びました。
▼原木しいたけ(福島県)
しいたけは、天然では春と秋の2回、ナラ、クヌギなどの広葉樹の倒木や切り株に発生する。栽培された原木しいたけは、ほだ木に発生したもの。歯ごたえ、香りがある。
▼菌床しいたけ(新潟県)
菌床しいたけは、おがくずやふすま等を混ぜ合わせた培地で栽培される。安定した品質と生産量が特徴。
▼たべごろなめこ(福島県 鈴木農園)
炒めものやてんぷらにも使える大きななめこ。なめこはスギタケ属に属する、木材腐朽菌。秋から春にブナなど広葉樹の倒木や切り株に発生する。市販品は菌床栽培されたものが多い。
▼大黒しめじ(三重県 タカラバイオ)
本しめじはシメジ属に属する菌根性のきのこで、以前は不可能といわれた栽培もの。「香り松茸味しめじ」のしめじは、この本しめじのこと。
▼丹波しめじ(はたけしめじ)(京都府 タカラバイオ)
キシメジ科のきのこ。人工栽培はむずかしいとされていたが、最近各地で作られている。
▼山茶茸(新潟県)
野生にある茶色のえのきだけを栽培したもの。
▼たもぎだけ(北海道 スリーピー)
ヒラタケ属のきのこで、木材腐朽菌。温帯北部に分布し、広葉樹のヤチダモやニレなどの倒木や切り株に株状に発生。主に北海道で菌床栽培されている。
▼アワビたけ(和歌山県 山幸食品)
歯ごたえがアワビのようなので、アワビたけという。
▼白舞茸(新潟県 雪国まいたけ)
マイタケ属のきのこ。ブナ、ミズナラ等の広葉樹の切り株から発生する木材腐朽菌。市販品のほとんどは菌床栽培もの。白舞茸は、通常の舞茸は汁が濁ることから、開発された。
▼雪嶺だけ(長野県 JA中野市)
「白嶺たけ」「バイリング」などの別称がある。中国では薬膳の材料として利用される。
▼ハナビラタケ(長野県)
夏に関東甲信越から北海道の高山に生える。幻とされてきたが、近年、人工栽培が確立。
▼山伏茸(長野県)
山伏がつけている丸い飾りに似ていることから、命名。
▼生きくらげ(山形県 竹田きのこ園)
温帯から熱帯に分布。わが国では夏から秋にかけて広葉樹の倒木に群生。生きくらげは食感とジューシーなうま味がポイント。
▼ホワイトマッシュルーム(千葉県 ちばみどり海上)
マッシュルームはハラタケ属。和名はつくりたけ。稲わらに鶏糞、綿実かす、尿素、石灰などを混ぜてたい肥をつくり、菌を摂取して栽培する。
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