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2010年11月13日 (土)

野菜の学校(1) 庄内野菜

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11月の[野菜の学校]のテーマは山形県の庄内野菜です。講師には江頭宏昌先生をお迎えしたいというプランが実現しました。先生をはじめみなみなさま、ほんとうにありがとうございました。

ボランティアスタッフの一人、園芸研究家の御倉多公子さんは酒田市出身。「ことしの異常気象で野菜はヒドイ状態…」とか「かぶは全滅…」などという悲観的な話ばかり聞こえてくるなかで、御倉さんを中心に、手を尽くして庄内の野菜を集めました。また、野菜が集まらなかった時のための伝統料理も用意することにしました。

江頭先生は山形大学農学部準教授で、山形在来作物研究会会長です。まず、「在来作物とは何か」という定義から。

  • ある地域で、世代を越えて栽培者によって種苗の保存が続けられてきた作物をその地域の在来作物という。
  • 在来作物は、収量が少なく、耐病性が弱く、外観などの揃いがよくなく、日持ちがよくない。
  • 辛味や苦味、強い香りなどを持つ身とがあり、個性的な味を持つものが多い。
  • 在来作物には、モノとしての側面と、地域固有の知的財産(歴史、文化、栽培・利用のノウハウ)が付随しており、情報を伝えるメディアとしての側面がある。

次に山形県のお話。地理的に4つの地方に分かれること。それぞれに独特の作物と食文化があること。そして、庄内のさまざまな野菜についてお話くださいました。

また、焼き畑の現代的な意味についてのお話も印象的でした。焼き畑と焼いてない畑で同じように蒔いたタネが、焼き畑では青々と生長し、そうでない畑ではあまり芽が出ていないのも驚きです。焼き畑のメリットは

  1. 肥料(NPK)を土が作り出す
  2. 病害虫や雑草を抑える
  3. 作物の味や品質がよくなる
  4. 植物の発芽をコントロールする
  5. 次の植林に備えて整地できる
  6. 攪乱による森林植生の世代更新促進と多様性の維持
  7. 休閑期間の野生動植物の利用
  8. 山村の美しい景観

時間が足りず、焼き畑については十分にお話いただけなかったのが残念でした。

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