野菜の学校(10) 伝九郎柿
が、「平核無(ひらたねなし)柿」が登場して次第に減ってしまいました。その理由は渋の抜きかたにあります。「伝九郎柿」は、熱めのお湯に入れて8~9時間置いておく「湯ざわし」という方法で渋を抜きます。で、仕上がったときの姿がよくありません。上の写真のように、知らない人なら傷んでいるのではないかと思うような外観です。ところが、「伝九郎柿」は食べてみるとたいへん甘い。そこで、最近復活を果たし、[野菜の学校]にもやってきました。
以下は配付資料から
- カキノキ科の落葉樹。
- 南では甘柿、関東より北は渋柿が主流
- 庄内柿の品種は平核無。平べったい角型で種がない柿。鶴岡が有名。伝九郎柿は、藤島町長沼地域が名産地の渋柿
- 伝九郎柿は江戸時代に長沼に持ち込まれ、庄内一帯に栽培が広がったが、果実の品質が優れていて、渋抜きがしやすい平核無へ品種更新されていった
- 庄内柿が白砂糖の甘味なら、伝九郎は黒砂糖の甘味に例えられる。庄内柿がすんなりしたきれいな形であるのでに対して、伝九郎は少しいびつな形
- 庄内柿は焼酎か炭酸ガスで脱渋。伝九郎は湯ざわしという方法で渋を抜く
- エネルギー60kcal、炭水化物15.9g、カリウム170mg、カロテン420μg、ビタミンCは70mg。ビタミンCの含有量はみかんの約2倍
- 柿の渋みの成分はタンニンの一種でカキ渋タンニンといい、血圧を下げる効果がある
- アルコールデヒドロゲナーゼというアルコールを分解する酵素を含んでいるので、血中アルコール濃度の上昇を抑制する。カリウムの利尿効果もあり、二日酔いに効く
- 伝九郎柿は通常の焼酎を使った渋抜きでは上手く渋が抜けないため、お湯を使った「湯ざわし」という方法で渋抜きされる。この脱渋方法は表面が酸化して、黒くなりやすくなるが、皮をむくと果肉はきれいな濃い橙色になる。スプーンですくえるほどの柔らかな食感となる
- 「湯ざわし」とは昔から伝わる方法で、40℃位の温湯に塩を入れ、その中に12~24時間ほど柿を浸けておき渋を抜く方法(気温や柿自体の硬さなどで湯温や塩の量は若干変わる)
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