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2010年11月16日 (火)

野菜の学校(6) からとりいも

「からとりいも」は庄内地方で古くから栽培されてきたさといもです。0502

『日本の野菜』(青葉高著・八坂書房)には、次のように解説されています。

山形県庄内地方とその周辺では、以前からサトイモを湛水状態で栽培し「柄取芋」と呼んでいる。これは唐芋群の一系統で、主に葉柄を利用し、カラトリ芋、茎取芋、ズイキ芋などとよび、庄内地方を二分する最上川の北側では青茎系を、南側では主に赤茎系を栽培している。青茎系は赤茎系から突然変異で生まれたものとみられ、「山形田芋」と呼ばれる。

「田芋」という名前から連想するのが沖縄の「ターンム」です。沖縄で、ターンムを水田に水をはって栽培しているところを見たことがありますが、湛水状態で栽培するのはインドネシアや中国雲南省など、熱帯・亜熱帯地域で始まったスタイルといいます。
一方、山形大学の江頭宏昌先生の研究室でDNA解析したところ、京芋と非常に近い系統であることがわかりました。

昔々「からとりいも」は栽培方法とセットで列島を北上し、1735年(てことは270年以上前)の『羽州庄内領産物帳』に「庄内の産物」として登場するくらいになりました。そして、今や庄内は日本最大級の集約的栽培地帯なのだそうです。

▼右は青茎系、左は赤茎系
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以下は配付資料から

  • サトイモ科、東南アジアのマレー半島が原産といわれる
  • からとりは、庄内に伝わる里芋の一種。名前の由来は葉柄も収穫して食べられる意の「柄(から)取り」にちなむ。唐芋(とうのいも)群の一種で、京野菜のエビイモとごく近い系統
  • 庄内町(旧立川町)添津のからいもは青茎系統。鶴岡などの赤茎もある
  • 全国的には芋を「やつがしら」、茎を「ずいき」と呼ぶことが多いが、庄内では芋を「ずいき」、葉柄を「からとり」という
  • 水分が80%前後、炭水化物が約13%でその大部分はでんぷん
  • ネバネバする粘質物はガラクタンやマンナンなどの糖タンパク。塩にとけるため塩でもむ、ゆでるなどすると粘質物が出にくくなる
  • 芋は煮物や汁物に、葉柄はゴマ和えやおひたし、葉柄を乾燥させた芋がらは柔らかくもどして雑煮や納豆汁の具などにと、大きな葉以外はすべて食べることができる
  • 里芋と違いからとりいもにはぬめりがなく、じっくり煮込んでも煮崩れない。濃厚で緻密なねっとりとした食感で、おでんや芋煮汁の具にもよい
  • 茎は淡白であっさりとした食味、しゃりしゃりした歯ざわりが特長。皮をむき塩を加えたお湯で短時間ゆで、冷水に10分ほど浸してアク抜きすると、鮮やかな緑色が残る。これに調味液を含ませたり、和え物などにも使う
  • 茎を乾燥した芋がらは、熱いお湯でもみ洗いした後、数分間湯に浸して戻して使う。昔ながらの保存食品で煮物や、汁物の具として使う

▼試食は、「からとりゴルゴン」
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  1. からとりいもは一口大に切って蒸す
  2. モッツレラ、ゴルゴンゾーラ、生クリーム、リキュールを混ぜておく
  3. 耐熱皿に1を入れ、上から2を流し入れて、250℃のオーブンに入れ、表面に焦げ目がつくまで加熱

レシピは、アル・ケッチァーノの「からとりいものゴルゴンゾーラチーズのせグラタン」をアレンジしたもの。ねっとりとしたきめ細かい肉質が、チーズと生クリームの濃厚なソースにからむ、「からとりいも」の新しいおいしさが大好評でした。

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コメント

芋がらが大好きで、正月の雑煮から胡麻和え、酢の物と目にしたらついつい買ってしまいます。ところが、60年の人生で初めての経験をしました。埼玉県秩父で、簡易野菜売り場で、芋がらにしては、ちょっと高い芋がらを買って食べたら、口の中でひりひり、痛い、このまま死ぬかもと思ったくらいでした。聞くと京いもの芋がらだったとか。私の生まれた山形では、唐とり芋以外では芋がらは作れないと聞いていました。シュウ酸カルシュウム(毒)が多いからだったようです。干してあるので見分けがつきません。売るときは、注意が必要です。

投稿: akko | 2014年5月 2日 (金) 15時28分

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