オコッペいも
ずっと前のキッチンガーデンクラブの例会、確かサワーチェリーのときにお目にかかったことがある江渡茂彦さんという方から、お電話をいただきました。
「オコッペいもって知ってますか?」
「いえ、存じません」
「オコッペというのはね、地名なんです。大間って知ってるでしょう?マグロの。大間町奥戸のことをオコッペといって、そこで明治時代から作っているじゃがいもがオコッペいも。もとはアメリカから入れた“バーモント・ゴールド・コイン”という品種です。6コで3円したので、“三円イモ”とも呼ばれてる…」
「珍しいものなんですね?」
「じゃあ、送ってあげましょう」
「え!? あ!」
と言っている間に送ってくださることになり、ドンと一箱届きました。
なかにリーフレットが入ってました。江渡さんによると「ちょっと古い」情報とのことですが、「オコッペいも」が簡単に紹介されています。
- 箱に書いてある「オコッペいもっこ」は、下北地方で昔から栽培されている在来種「三円いも」の商品名
- 三円いもは、明治38年(1905年)に青森県がアメリカから導入。価格が6コで3円もしたので、この名がある。ちなみに当時のお米1俵は5円30銭だから、お米より高かった。
- 煮えやすく粉を吹く。
いま、大間町ではオコッペいもで町おこしをしようという動きが始まっています。江渡さんは、「奥戸じゃがいもブランド研究協議会」の新聞記事もファクスしてくださいました。記事によると、「奥戸じゃがいもブランド研究協議会」が申し合わせた、ブランドの定義は次の通り。
- 奥戸で受け継がれた種芋を使用し、同地区で生産
- 協議会会員が生産
- 有機肥料を使い安全性向上をはかる
- 生産履歴。生産者情報を積極的に公開
ブランドをきちんと確立し、もっと全国にPRしたいので、来年度からインターネットで生産情報を公開するとのことです。
明治38年に導入されたということは、オコッペいもは、明治42年頃といわれる男爵よりも早く日本にやってきたじゃがいも。で、来年2月の[野菜の学校]で、青森の伝統野菜・地方野菜の一つとして取りあげようということになりました。
オコッペいもを取り扱っているJAによると、来年2月にも配送可能。ということは、今回江渡さんからいただいたオコッペいもを保存しておかなくてもいいわけだ。1箱を[野菜の学校]スタッフ全員で分けていただきました。ありがとうございました。
凹凸がある姿、皮をむくと芽のようなくぼみがいくつもあるところ、皮をむいた肌の色の白さなど、男爵に似ていると思いました。
▼じゃがいもの染め煮
清水信子先生のレシピ「染め煮」にしてみました。粉を吹きますが、煮崩れず、中心は案外しっとりしています。オコッペいもは、甘みも特徴とのことですが、このレシピは砂糖を入れるので、ちょっとわかりませんでした。
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