野菜の学校(1) なにわ野菜
森下先生からいただいた資料には、江戸時代の大阪の野菜が載っていました。
- ダイコン:守口、天王寺、椋橋、天満、田辺、倉橋、桑津、江口
- レンコン:守口
- カブ:天王寺
- トウガン:木津、海老江、
- 姫ウリ:遠里小野(おりおの)
- ヒョウタン:今宮
- ナス:市岡、本庄、鳥飼、小松、勝間(こつま)新家(白茄子)
- キュウリ:毛馬
- マクワウリ:舳松
- ニンジン:木津、今宮
- シロウリ:玉造・黒門、木津
- ヘチマ:安立町
- ユウガオ:木津、難波
- クワイ:吹田
- スイカ:市岡
- コンニャク:平野
こうした野菜の名前が、『毛吹草』『摂津国細見大絵図』『五畿内志』『摂津名所図会』などの書物に、「土産」として載っており、なかでも、「金時人参」などは大阪がその発祥地の一つ。こんなに数多くの野菜について、いくつもの記述が残されているなんて、さすが天下の台所、食いだおれの街です。その伝統は今に続いていて、1980年に野菜試験場育種部が発表した資料によると大阪の地方品種は72種類。これは京都の92種類、北海道84種類に続く3番目だそうです。
大阪の伝統野菜というと、私がすぐに思いつくのは「泉州水なす」で、これだけの種類があってもあとがなかなか出てきません。森下先生のお話のように、伝統野菜を市場流通させることはほんとうにむずかしいのだと思います。
先生は、「その土地にあったやり方で、無理せず、楽しく、長続きさせることが大切」とおっしゃいます。それは、長年伝統野菜を育ててこられた成熟した大阪のおとなの考え、という感じがして、説得力がありました。
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