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2010年12月 6日 (月)

野菜の学校(2) 田辺大根

12月の[野菜の学校]のテーマは大阪のなにわ野菜。食べくらべは、いま旬の田辺大根がテーマです。
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「田辺大根」は、10月に開かれたプロの料理人によるレシピコンテストで、準優勝した方の料理名にあった食材です。ことしは異常気象で育ちが悪く、決勝戦の日には間に合いませんでした。結局、青首大根を使ったのですが、そのとき、田辺大根はフツーの大根に比べて、甘み、ねばり、辛みに富むと紹介されていました。

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以下は配付資料から

  • アブラナ科。原産は中央アジアとも地中海地方ともいわれる
  • だいこんは春の七草のひとつで、別称「すずしろ」「大根(オオネ)」。室町時代に入り「だいこん」と音読されるようになった
  • 田辺大根は大阪市東成郡田辺地区の特産の白首だいこん。白あがり京だいこん×ねずみだいこんの交雑後代が土着したのではないかとされている
  • 明治時代の田辺大根は短根で縦横ほぼ同長だったが、次第に長型に改良され、現在では根部白色の短円筒形で、末端が少し肥大して丸みを帯び、長さ20cm、太さ9cmほど
  • 田辺大根の葉は毛じがなく、やわらかい
  • だいこんの根は水分94.6%、エネルギーは18kcal、炭水化物4.1g(糖質2.7g・食物繊維1.4g)、糖質の大部分がブドウ糖、ビタミンCが12mg/100g含まれている(食品成分表)
  • だいこんの葉は根より栄養分が多い。水分が90.6%、エネルギーは25kcal、カルシウム、鉄、カロテン、ビタミンB群、Cを多く含む。特にカルシウムは260mg/100gと多く含まれている(食品成分表)
  • 田辺大根の肉質は緻密できめ細かく、やわらかくて甘みに富むため主に煮物や、甘酢漬けによいとされる
  • 塩鯖の身を取った後の骨や頭を田辺大根といっしょにすまし汁にした「船場汁」は商人の町大阪、船場の食文化だった
  • 繊維が放射状にくっきりとしており緻密なため、おでんのだいこんのように長時間煮てもカサが減ったり、凹んだりせず、煮崩れも少ない
  • おろしにすると質がしっかりとし水分が少なくて刺激的な辛味があり、おろしそばなどに使う
  • 葉はふさふさと大きくやわらかいため、青菜のようにゆでても食べやすい
  • 葉をつけたままにすると、葉から水分が蒸発し、根の養分や水分が奪われる。スが入る原因にもなるので、葉は買ったらすぐに切って保存するとよい

田辺大根の葉は毛が生えていません。ゴワゴワしてなくて歯触りがいいので、葉の利用が第1目的になっているケースもあるそうです。そうすると第2目的の大根部分の形が変わるようです。フツーの田辺大根の円筒形と違い、長めの円錐形。「これ、田辺大根らしくない」と思ったら、そんなワケがありました。

[野菜の学校]では、葉を浅漬けにして試食しようとしましたが、漬ける時間が足りないので、小口切りにした田辺大根の葉を塩でもんで、だいこんおろし和えにしました。
▼田辺大根の葉のおろし和え
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  1. 田辺大根の葉を1.5㎝くらいの小口切りにして、2%の塩をまぶし、よくもんで、重石をしておく
  2. 1.は、食べるときにサッと水洗いし、水けをよくしぼる
  3. 田辺大根をおろして、2を和え、しょうゆをかけて食べる

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