野菜の学校(5) 天王寺蕪
「うちのかあちゃん天王寺かぶら。色が白うて背が低い」というはやしコトバ(?)があった(農文協刊『なにわ大阪の伝統野菜』)ように、扁平な形の白かぶ。大阪から長野へ伝わって野沢菜になったという話がありますが、江戸時代には大阪の名産品でした。
以下は配付資料から
- アブラナ科
- 根の形が鈴に似ている事から「すずな」とも呼ばれる
- 原産地はヨーロッパ西南部といわれるが、アフガニスタンからヨーロッパに伝わったという説もある
- 天王寺蕪は天王寺付近が発祥とされる。地上部に根身が浮き上がるため「天王寺浮き蕪」とも呼ばれる
- 根は平たい球形で皮は白く、甘みがある。葉は丈が約60cmと長く、葉には毛じがない。切れ葉と丸葉がある
- 江戸時代の初め、干し蕪が名物となり、中頃には漬物屋さんが粕漬けにして売り出して名物となった
- 漬物で有名な野沢菜は、1756年に京都に遊学に来ていた長野県野沢村の住職が天王寺蕪の種を持ち帰って栽培。その中の突然変異で、地元在来蕪と自然交雑したものが現在の「野沢菜」になったといわれている
- アミラーゼを含むため、生で食べると消化がよい
- 天王寺蕪の糖度は普通の蕪の1.5倍以上といわれる
- 肉質が緻密でしまっているため、煮崩れしにくい
- 生食、漬物のほか、ふろふきなどの煮物やかぶら蒸し、汁物、ステーキなどにも使う
- 表皮と内側の筋をむきとると食べやすくなる
- 葉はやわらかく、ゆでたり、煮たりして食べる
- 皮、葉を捨てることなく昆布と塩で浅漬けにしたのが「大阪漬け」=「刻み漬け」。大阪人の「しまつ」の現れた料理ともいわれる
- 天王寺蕪は皮を薄くむき、細かく刻む
- 鍋に、だし汁、米、蕪、野菜のブイヨンを入れて煮る
- 柔らかくなったらこし、みじん切りの蕪の葉を散らす
- 天王寺蕪は、薄切りにし、皿にきれいに並べる
- 塩、オリーブ油をふる
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