« 忘年会の野菜度-06 馬喰町「フクモリ」 | トップページ | ハンガリーのパプリカ »

2011年1月 8日 (土)

日本は世界5位の農業大国

「大嘘だらけの食糧自給率」という、キャッチーなサブタイトルがついている新書版ですが、読んでみると、なかなか面白かった。

Photo_2


  • 日本は世界最大の食糧輸入国ではない
    日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスを比較すると、輸入額では4位、国民一人当たりの輸入額4位、国民一人当たりの輸入量でも4位。
  • 日本は世界5位の農業大国
    農業の国内生産額(2005)で、上記先進国中アメリカに次いで2位。世界全体でみると、1位中国、2位アメリカ、3位インド、4位ブラジル、5位日本、6位フランス。
    フランスは農業国というイメージがありましたが、実は日本の方が上位です。これは国連食糧農業機関(FAO)の数字ですから、インチキとはいえません。
  • カロリーベースの自給率、その分母は?
    フツーに考えると、自給率とは、健康な生活に必要なカロリーのうちの国産品のカロリーの割合ですが、発表されている自給率の分母は、「健康な生活に必要なカロリー」ではなく、廃棄されるコンビニのお弁当や、レストランや家庭での食べ残しなど無駄になった食料が含まれています。日本におけるその膨大な無駄が話題になったことがありますが、日本の農産物輸入量の三分の一近く、世界の食糧援助量の3倍以上、といいます。
  • カロリーベースの自給率、その分子は?
    発表されている自給率の分子、国産品のなかみもヘン。全国に200万戸以上もある自給的な農家、副業的な農家などが生産するお米や野菜は含まれませんし、もちろん家庭菜園もカウントされてない。なんか不思議です。
  • 現実に即した自給率は
    健康な生活に必要なカロリー=厚労省が発表している適正な食事摂取カロリーとして試算すると、分子は現状のままで56%、健康な生活に必要なカロリー=国民栄養調査(2005)の摂取カロリーとして試算すると54%。いまはカウントされていない自給生産を含めると60%を超えるだろうという。確かにね。
  • 生産額ベースの自給率
    かつて、政府が発表する公式データは生産額ベースの自給率だけだったが、農産物自由貿易化交渉が盛んに行われていた1983年、カロリーベースの自給率が出現。1995年、ウルグアイラウンドの米の関税化合意のあと、生産額ベースの自給率は突然消え、カロリーベースだけになった。タイミングいいですねぇ。
    生産額ベース自給率の発表は最近また復活した。ちなみに2007年は66%。カロリーベースよりよほどいい数字です。
  • 世界的にみて日本の自給率は?
    自給率を計算しているのは日本と韓国。しかも韓国はその数字の向上を国策にはしていないそうです。ということはカロリーベース食料自給率を国策に使っているのは、世界で日本しかない!

ではなぜ、日本で、自給率が農政の根幹になっているのか?? ということについては、本を読んでいただくことにして、自給率が日本の農と食の最大の問題と論じているマスコミや、自給率問題を当然の前提として話す先生方に、大きなクエスチョンマークです。著者の主張すべてに即賛成というわけにいかないとしても、少なくとも、政府、マスコミ、先生方の意見を鵜呑みにしてはならないことがわかります。

|

« 忘年会の野菜度-06 馬喰町「フクモリ」 | トップページ | ハンガリーのパプリカ »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/125662/50737918

この記事へのトラックバック一覧です: 日本は世界5位の農業大国:

« 忘年会の野菜度-06 馬喰町「フクモリ」 | トップページ | ハンガリーのパプリカ »