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2011年1月12日 (水)

雑煮大根

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暮れの京都、錦小路で売られていた「ぞーに大根」、「雑煮大根」です。上から下まで太さが変わらない、細い円筒形。品種は「白上がり京大根」でしょうか。

▼「雑煮大根」「祝い大根」という札がついていた
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これをみると、「雑煮大根」と「祝い大根」は同じもののようですが…。
大和の伝統野菜に、四十日大根から選抜されたという「祝いだいこん」があります。奈良市、宇陀市、明日香村などで作られており、この地方のお雑煮に輪切りにして入れるといいます。ただし、その姿は細長い円錐形。

▼名札なし
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上のふたつと同じ姿のようですが、あえていえば円筒形というよりは細長い円錐形で、左のほうにあるちょっと腰が曲がっているように見えるだいこんは、「大阪四十日大根」に似てなくもない。「大阪四十日大根」はなにわの伝統野菜で、やはり雑煮用です。

整理してみると

  • 京都、奈良、大阪のお雑煮には、輪切りにした細い大根が入る
  • ・京都には「白上がり京大根」、奈良には大和の「祝いだいこん」、大阪には「大阪四十日大根」があり、3つともそれぞれの土地で昔から作られている伝統野菜
  • 「雑煮大根」とも「祝い大根」とも呼ばれている。ただし、「祝い大根」として売られているものの品種が大和の伝統野菜「祝いだいこん」とは限らない
  • 「白上がり京大根」は細長い円筒形で全身同じ太さ、大和の「祝いだいこん」は細長い円錐形、「大阪四十日大根」は細長く腰が曲がっている
  • 『ダイコン百科』(農文協刊)によると、「白上がり京大根」は、華北ダイコン系
  • 『ダイコン百科』(農文協刊)によると、四十日大根は華南ダイコンに近い
  • 大和の「祝いだいこん」は、四十日大根から選抜された。ということは、大和の「祝いだいこん」も華南系

まあ、昔からお雑煮に入っているのだから、すべて伝統野菜とされるのも当然かもしれないね。

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