[八百屋塾](4) ツケナ類
正確には、ツケナではなくツケナ類。アブラナ科アブラナ属の不結球野菜の総称です。ということはとても数が多い。
芦澤正和先生監修の『花図鑑・野菜』(草土出版)では、ナバナ、タカナ、カラシナを除き、カブを含めています。また、青葉高先生は『野菜』(法政大学出版局)で、タカナ、カブを除いている、など、ツケナ類に含まれる野菜に関する考え方も一つではありません。
『花図鑑・野菜』では
- ハタケナ類
- コマツナ類
- ミズナ類
- 体菜(たいさい)類
- 不結球ハクサイ類
- 別種のナタネ(洋種ナタネ)
よく「漬菜」と書いてあることがありますが、ホントはマチガイらしい。ただ、音から入って「漬菜」と書くマチガイが多いので、通用してるから、まぎらわしい。
また、「ツケナ」は「菘」と書くと聞いていましたが、青葉高先生の『野菜』や『野菜の日本史』では、「菘」は「ツケナ」ではなくその一部で、「アオナ」というルビ。『古事記』下巻の仁徳天皇の段に登場する「菘菜(あおな)」が紹介されています。
原産地は中央アジアからヨーロッパで、ツケナとして発達したのは中国。日本に入ってきたのた奈良時代以前。小松菜や野沢菜をはじめ、各地でさまざまな地方種が育ったのも、栽培の歴史が長いからでしょう。わりあい新しく入ってきた菘は、青梗菜、タアサイ。
- 産地:宮城県 JA名取岩沼
- 「雪菜」は、宮城県や山形県など東北地方で、冬に雪の中で栽培されるツケナ類の一般名称らしいのですが、山形の雪菜は、宮城県の雪菜とは姿も味も違います。 ⇒雪菜
- 産地:千葉県
- 青葉、芦澤両先生は、ツケナとは分けている
- 産地:茨城
- つまみ菜は、雪白体菜を早採りしたもの。もとは大根や白菜、かぶ、漬け菜、小松菜などの間引き菜を利用
- 産地:不明
- 京菜とはミズナのこと。前に関東の京菜と比べたことがあります。⇒京菜の東西
- 埼玉県 JA南彩岩槻
- 漬けものにする「山東菜」とはずいぶん姿が違いますが、同じ不結球ハクサイ。べか菜とも呼ばれる(『花図鑑・野菜』)。
- 産地:不明
- 大根葉ですが、葉を食べるために作ったもののようです。
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