野菜の学校(8) オコッペいも
「オコッペいも」のオコッペとは、マグロで有名な青森県大間町奥戸地区のこと。「奥戸(おくど)」を土地の人は「オコッペ」と呼ぶのだそうです。
このじゃがいも、なぜか、この地区以外の土壌では生育しません。近年は農家の高齢化によって生産量が減少してきましたが、いま大間町では「オコッペいもっこ」をテーマに、町おこしが始まっています。
オコッペいもは、明治38年(1905年)にアメリカからやってきた「バーモント・ゴールド・コイン」という品種です。タネいもの値段が6コで3円だったので、「三円いも」と呼ばれました。当時、白米1俵が5円30銭だったといいますから、すごく高価。値段を名前につけたくなる気持ち、わかります。
■以下は配付資料のまとめ
◇プロフイール
- ナス科
- アンデス原産で、15世紀末の新大陸発見以降ヨーロッパに伝わった。当初は地中に埋まっている「悪魔の食べ物」として敬遠されていたが、寒冷地でも栽培でき、生育期間も2~3ヶ月と短く、収穫量も多いため広まった。さらに19世紀前半には肉やバターなどの乳製品の消費が増え、一緒に料理するとおいしくなることから、価値が認められた
- 日本には16世紀末、オランダ人によってジャワ島(インドネシア)のジャガトラから長崎に伝えられた。ジャガトラがなまって「ジャガタライモ」「じゃがいも」と呼ばれるようになった
- オコッペいもは大間の奥戸(おこっぺ)地区で栽培されているじゃがいも。男爵いもより3年早く、明治38年に「バーモント・ゴールド・コイン」という品種でアメリカから導入されたいも。当時米1俵が5円30銭の時代に、種芋6個で3円したため、「三円いも」といわれた
◇栄養など
- じゃいがもは水分が約80%あるため、76kcal/100gと低め。でんぷん、ビタミンB1、カリウム、ビタミンCが多い。じゃがいものビタミンCは炭水化物に包まれているため、加熱しても壊れにくい特性がある
- じゃがいもの芽にはソラニン、チャコニンなどのポテトグリコアルカロイド(PGA)という有毒成分があり、一定量以上を食べると嘔吐、腹痛、頭痛、下痢、発熱などの症状を引き起こす
- 光に当たった表面にはクロロフィルが生成されるだけでなく、PGAも表皮近くに生成され、苦味、えぐみがでる。PGAは熱に強く、加熱してもほとんど分解されないが、水溶性のため水さらしやゆでこぼすとある程度は流出する
◇利用方法など
- ゆでる、蒸す、炒めるなど加熱して食べる
- オコッペいもは粉質で色は白い。男爵いものようにホクホクして粉をふくが、サラサラとた食感。淡白でコクがある
- 下北では塩ゆでして塩辛をのせて食べるとのこと
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