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2011年7月20日 (水)

[野菜の学校](2) 八町きゅうり

7月の[野菜の学校]のテーマは信州伝統野菜。
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「伝統野菜」というのは外からみてのことで、その土地では特に目立つこともなく、自然のままに生きてきた野菜だから、自由自在に都会のど真ん中に連れて来られるわけがない。ということはわかっていても、会場の都合、スケジュールの都合、あれこれの都合で、この日に野菜がないと勉強会が成り立たない。[野菜の学校]は、このところハラハラどきどきの綱渡りが続いています

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[野菜の学校]の何日前だったか、今回の主役「八町きゅうり」を頼んでいる長野の方から謝りの電話が入りました。「今のようすでは、学校の前日には送れない。去年は最初の収穫がちょうどその頃だったので大丈夫だと思ったが、まことに申しわけない」。
さて、困った。でも、きゅうりは一日ですごく大きくなると聞いています。もしかして翌日なら、一日分時間をかせげるから、送ってもらえるかもしれないと思い、ちょっと強引に頼んでみました。「1本でも2本でも、サンプルとして展示することができればありがたいので、当日の午前中必着にして、ぜひお願いしたい」。
で、その当日の朝。机といすを並べて会場の準備をしているところへエレベーターが開き、届いた宅配便。箱に「八町きゅうり」と書いてあるのを見て、若い女子のような歓声をあげてしまいました。

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■八町きゅうりの配付資料から

<プロフィール>

  • ウリ科キュウリ属のつる性一年草。原産地はインドのヒマラヤ山麓とされ、3000年前から栽培されていた。
  • キュウリが日本に導入されたのは6世紀ごろといわれるが、本格的な栽培が始まったのは江戸時代以降。
  • 長野県でも明治から昭和にかけて「横田節成」「小布施節成」などの種類が栽培された。
  • 「八町きゅうり」は、昭和20年代の始めごろ、須坂市上八町(かみはっちょう)の関野正二郎氏が育成したもの。「高甫地域で栽培されていたきゅうりと豊洲地域で栽培されていた門外不出のきゅうりを交配して育成した」とする説と、「長野市のきゅうり栽培農家から種を譲り受け栽培するうちに、地域に適応した品種になった」という説の2説がある。
  • 八町きゅうりは1.やや短形でずんぐりとした果形、2.皮が薄く、種は少なめ、3.味は良いが、日持ちは短いという特徴をもっている。
  • 須坂市では6月下旬~9月に収穫される。八町きゅうりと似たきゅうりに木曽開田村の「開田きゅうり」がある。

<栄養・効能>

  • 水分95.4%と多く、エネルギーは14kcal/100gと低い。
  • カリウムを多く含み、利尿作用がある。二日酔いや手足のむくみの解消によく、やけど、あせもには薄切りにして患部にあてるよいといわれる。
  • 特有の青臭さはキュウリアルコールが主成分。血が固まるのを防ぐピラジンという成分を含む。
  • 苦味の主成分はウリ科の植物に含まれるククルビタシンという物質で、ヘタの部分に多い。ククルビタシンは皮の色が濃いものに多く、白っぽいものには少ない。熱に安定しており、15分加熱しても抜けない。

<基本調理法・料理例>

  • 生で食べるのが一番といわれるが、日持ちがよくないため漬けものなどに加工される。
  • 浅漬け、味噌漬けなど。

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