[野菜の学校](5) わさび
和歌山県真妻が発祥の地、最高品種とされる、これは3年もの。
<プロフィール>
- アブラナ科ワサビ属。日本原産。北海道から九州まで自生している。
- 学名はWasabia japonica、もしくは、Eutrema japonica 。
- 平安時代の『本草和名(918年)』『和名類聚抄』に「和佐比」と記されている。
- わさびは品種の固定が不完全で、明確な分類が困難。産地や形態によって分けられている。形態的には青茎系と赤茎系に分けられる。
- すり下ろして食用にする部分は根茎で、茎の発達したもの。
- 古くは自生したわさびを採取していたが、しだいに半栽培になり、やがて栽培化された。『本朝食鑑』(1697年)には栽培法が述べられており、1600年代には栽培が始まっていたと考えられる。
- 奈良時代には薬用として使われていたと考えられるが、室町頃からは薬味としての使用も。『和漢三才図絵』にはそばの薬味にわさびが欠かせないという記述があり、1700年代にはわさびが一般的に利用されていることがわかる。文政(1818-30年)はじめのころ、江戸の寿司屋がわさびをはさんだ握り寿司を考案し、わさびはさらに普及した。
- 大正14年(1925年)の調査では全国30府県以上で栽培されていたという。
- 安曇野のわさび栽培は明治3年頃からといわれ、北アルプス山麓に自生するわさびを植えたのが始まり。
- 一般的にわさびは山間部の渓流や傾斜地の湧き水を利用したわさび田で作られるが、安曇野のわさびは北アルプスの湧水を利用し、盆地のいちばん低い平地にある「わさび畑」で作られる。
<栄養・効能>
- ワサビの辛味成分は、アブラナ科の植物が多く含むからし油配糖体(グルコシノレート)の一種シニグリンが、すりおろされて酸素に触れて生成されるアリルイソチオシアネートなどで、殺菌効果がある。
<基本調理法・料理例>
- 根茎をすり下ろすほか、酒粕で漬けるわさび漬け、茎のしょうゆ漬けなど。
- わさびの花は、春に咲く花芽を湯にくぐらせ、半日ほどおいて辛味を楽しむもの。
- NHKの番組「キッチンが行く」では、クレープ生地、ソース、トッピングにわさびを使った「わさびのクレープ」が登場した。
わさびの食べくらべはツライかなと思いましたが、辛いばかりではなく、違いがわかって興味深かった。やはり最高とされる「真妻」は香り高く、甘さを感じます。あっさりとしてさわやかな「正緑」と「石だる」。真妻だけ赤茎系で、ほかは青茎系だからかな。
| 固定リンク
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
- ティラミスチョコレート(2020.07.21)
「食」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
「野菜の学校」カテゴリの記事
- 伊吹大根のぬか漬け(2020.06.25)
- 日本の野菜(2020.01.06)
- てるぬまかついち商店の干しいも(2019.06.13)
- 宴の野菜度 銀座「長崎しっぽく浜勝」(2019.02.20)
- 「牧野野菜」の試食(2018.04.15)
「食べくらべ」カテゴリの記事
- 仁井田(にいだ)だいこんのたくあん(2019.01.22)
- 食べくらべ-3 やっぱりF1が人気(2018.07.03)
- ART+EATでTALk+EAT 伝統野菜はおもしろい!(2018.07.17)
- だいこんの食べくらべ-1(2018.06.30)
- 「牧野野菜」の食べくらべ(2018.04.15)
「伝統野菜・地方野菜」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- 伊吹大根の「ぜいたく煮」(2020.06.30)
「野菜(根菜類)」カテゴリの記事
- 伊吹大根のぬか漬け(2020.06.25)
- 大江戸味ごよみ 10月19日(土)べったら市(2019.10.19)
- ~日本食文化のルーツをさぐる~ 在来ごぼうフェスタ(2019.10.07)
- 大江戸味ごよみ 10月1日(火)練馬大根と綱吉と脚気(2019.10.01)
- 福島秀史さんの畑 滝野川ごぼうのタネ採り(2019.08.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント